神経科の診察 沐浴特訓 薬切れ 娘無事帰宅 テレビデビュー
朝から頑張って朝牛舎をやった。頑張りすぎないように、薬は規定量に抑えた。
約束の時間ぎりぎりに、八雲の病院にたどり着いた。まずは、俺のうつ病の診断だ。いろいろ話を聞いてもらったが、そもそも俺はうつ病になるタイプの人間ではないらしい。考え方、割り切り方、計画の建て方、上手くいかなかったときのあきらめの早さ。どれを取ってもうつ病になりにくいタイプで、村上先生が
「あなたがうつ病になるときは、人類が滅びるときだ！」
と言ったのは嘘ではないらしい。その俺がうつ病になるのだから、相当大きな負荷がかかっているということで、
「そもそも仕事が一人では無理なことをやっているのではないか？」
と言われた。たしかに、牛舎建設で大変な思いをしたり、ベビーラッシュで生まれた子牛が次々病気して困ったこともあった。だが、そもそも好きでやっている仕事なので、それだけではないことを説明した。
甲状腺の機能検査をしようという話になったので、
「俺は代謝が高く、チロキシン（代謝を高めるホルモンの一種）不足は考えられない。村上医師は、すい臓癌の可能性もあるからと言ってヘリカルＣＴまで撮ってくれた。」
と話したら、すごく驚いていた。精神科の専門医でもないのに、すい臓癌の初期症状がうつ病に似ていることがあることを知っていて、その可能性まで考えて検査をする医師はまず居ないそうだ。もしすい臓癌なら、その初期症状で発見しないと手遅れになってしまうものらしい。重装備の診療所というのは、そういう意味で必要だったのだ。
「そんなすごい先生だったら、甲状腺の検査は真っ先にやっているに違いない。」
ノルアドレナリン系の薬を追加してもらった。ちっとはやる気が出るかな？
うつ病だと申請すると、保健適用幅が広がり、患者負担は１割になるらしい。その手続きをしているうちに、とても重要なコンスタンが飲み終わって無いことに気がついた。１錠だけでも出してくれるように言ったのだが、俺がシマダ薬局を指定したので、そこでしか買えないそうだ。気持ちが焦る。
娘のところに行き、沐浴訓練を受けた。すごく苦労した。その後、ミルクを溶かす実習をやり、苦労して100cc飲ませた。飲んでいる途中で
「ブリブリブリ！」
と排便したあと、残り20ccを残して寝てしまった。ゲップが出にくく、出ないと続きが飲めないのだ。俺は結局ゲップを出すことができず、看護師さんにやってもらった。
しかし、待てど暮らせど帰してくれない。精算や、担当医の説明があるからだそうだ。シマダ薬局の営業時間に帰り着けなかったら、明日までコンスタンを飲むことができず、確実に体調を崩すのが目に見えていた。どんどん気持ちが落ち込んでいく俺を見て、看護婦さんが娘を連れてきてくれた。抱っこしていると不思議と気持ちが楽になる。
精算して（ン十万円）、若い医師の説明を聞き、家路についたのは５時をまわっていた。薬局に電話して、義妹に薬は取りにいってもらったので、一応安心だ。
今日は、犬たちを連れて行かなくて正解だった。彼らにまで気を遣っていたら、気疲れして帰れなくなっていたかも知れない。
無事ベビーシートも着けて、いざ出発！娘は車の振動が好きなのか？鬼塚ちひろの曲が好きなのか？とてもご機嫌だった。先ほどまであれほど気持ちが落ち着かなかったのに、俺もとても落ちついて帰ることができた。
真っ先に義妹から薬を受け取り、コンスタンを飲む。テレビ屋さんが、娘を撮影に来ていた。可愛いから、全国放送で流すことになったそうだ！５月２０日の夜１０時からのＮＨＫ教育放送で、俺の娘が出演するので、皆さん是非見てください！
家に帰ったら、車の中であれほどご機嫌だった娘が泣き出して、なかなか泣きやまない。夜牛舎をするときに預かってくれる人のところに行くため、おしめとミルクセットを取りそろえる。
２時間限定で夜牛舎をやったのだが、今日は牛舎が臭い。明日、預かってもらったら、全面的に綺麗に糞出しをしないと、また病気させてしまう。
排便とミルクのタイミング、量を聞いて、連れ帰ってきた。車から降りた途端に泣き始めた。静かすぎるのだろうか？クィーンのアルバムを流したら、たちまち泣きやみスヤスヤ寝てしまった。
11時半頃になって、ようやく腹が減ったと泣き始めた。そこで、60℃ポットのセットをしていないことに気がついた。もうちょっと待ってね。
突然、3階にベビーベッドを組み立てた。格子の隙間が、猫が通れるほど広くないようなので、ベッドの脇で寝かせようと思ったのだ。
ミルクは１時に飲ませ、十分ゲップが出て、ベビーベッド寝かせるが、泣いてしまう。おしめは取り替えてあったので、ただ気に入らないようだ。
仕方なく添い寝した。子守歌を聴かせているうちに、俺が寝てしまった。
次の授乳は５時だ。
