Miki入院 子育て支援ヘルパー 管理職 動けない!

 朝早く、Mikiは札幌乳腺外科クリニックに入院しに行った。俺は牛の世話があるので、連れて行ってやれない。
 
 牛舎に行く前に、部屋の掃除をして、フローリングにワックスを塗った。化学物質過敏のMikiがいない間に、ボロボロの床を滑らかにしておくためだ。1週間もあれば、変な物質も抜けてくれるだろう。
 家中、カメムシだらけで、屋根裏や半地下倉庫にはネズミも沢山いるので、バルサンもたきたいと思っているが・・・。
 
 朝牛舎後、保健師とヘルパーさんが来て、打ち合わせをした。
 
 Mikiの職場から、保険証を持ってくるように電話があった。乳癌の手術で入院することは伝えてあるのに、今頃になって何を言っている!保険証の切り替えのことは、事前に解っているはずではないか。先日学校に手続きに行ったとき、何度も出向いたり、診断書を取ったりしなくてすむように、管理職としてよく勉強してから、手続きをして欲しいと依頼してあったのに・・・。
 今の俺の症状は、札幌の病院の事務の人に電話して、保険証を送り返してもらうような事務手続きなんて出来る状態ではない。
 しかも、癌で札幌に入院中の患者に、八雲の病院から診断書をもらってこいなんて!何で八雲に入院している間に言ってくれないのだ。
 住民票ももってこいという話だったので、それは届けたのだが、言い訳ばかりしているので、頭にきて
もっと勉強してくれ!
と言ってしまった。管理職として手当をもらっているのに、
「不慣れなもので。」
とか
「まだ初心者ですから。」
とか、言い訳になるか?
「忙しかったもので。」
忙しいのは、みんな同じだ。
 
 そもそも、T前校長が管理職としての管理責任をしっかり自覚し、管理下の職員の健康に配慮することが出来ていれば、MikiもPTSDなんて障害を受けずに済んだのだ。新しい校長に、管理者の責任として、これらの勉強をしていなくて
「知りませんでした。」
は通用しないので、ちゃんと勉強して欲しいとお願いしたら、T校長の立場をいろいろ弁護始めた。ここで校長と話しても意味がないのだが(弁護士に依頼していることだから)、
「前校長の指導と称する不適切な対応で、職員が手首を切った。あなたはT校長の弁護をする必要ないから、管理職としてしなければならない職員の健康管理について、しっかり勉強してくれ。」
と言っても、まだモゴモゴ言い訳している。
「T校長について、あなたに何かをしてもらうつもりはないから、職員の健康管理について勉強だけしして欲しいと言っているだけなんですよ!」
よほど勉強が嫌いらしい。あとで、テストしに行ってみるか?(冗談です)
 
 2時間も無駄な時間を過ごし、すっかり調子が狂ってしまった。帰ってきても、体が動かないのだ。牛舎に行かないとだめだと思い、気持ちは焦り、行かない自分を責めてどんどん奈落の底に落ち込んでしまう。
 
 死にそうな思いでようやく牛舎に行き、切り草作りから始めた。こんな時、酪農ヘルパーみたいな制度が、肉牛の方にもあればいいのにな〜っといつも思う。