浪次郎誕生 絶不調 妊娠牛の脱走 せたなの医療を考える会

昨夜から兆候があったので、夜中に何度も起きて、ナミコの様子を監視カメラで観察した。
結局、朝飯を食べている最中に、突然産気づき、助産に行こうとしてゴタゴタしている間に生まれてしまった。
 
 急いで行って、ナミコを放し、大量の敷きワラでまわりを取り囲み、体を拭いてやった。俺が感じないから暖かいのかと思い、あまり子牛の体を乾かさずにしばらくナミコに世話を任せて、他の仕事をしていた。
 ところが、外は雪だった。慌てて体を乾かすために、乾草で体を拭いてやったら、すぐにでも乳を飲みそうな雰囲気だった。
 そこで、急いで人工初乳を作ったら、哺乳瓶で素直に飲んだ。その後すぐに立ち上がり、母親の乳も飲んだ。
 とても元気な36kgの雄なので「浪次郎」(ナミコの2番目の♂子牛)と名付けた。
 あらかじめ用意してあった部屋に、大量の敷きワラを敷き、ドライヤーで体を乾かしてやった。
 
 午後から、Mikiを病院に送り返したり、いろいろやることがあったので、いつもより駆け足で作業をやった。
 馬たちの姿が見えなかったので、口笛を吹いたら、クワの木のあたりから、一斉に駆け戻ってきた。腹を空かせて木の皮を囓っていたようだ。
 妊娠牛にも、ボロイ牧草をやろうと思ったら、山に取りに行かないと無くなっていた。仕方なく取りに行ったところで、昼飯にした。
 
 昼は、友人がカレーを作って持ってきてくれた。美味しく頂き、昨日からの寝不足もたたったので、失礼して昼寝させてもらったら、起きれなくなってしまった。横になっていても、辛くてしかたがない。八雲の病院までMikiを送っていかなければならないのに、全然体がいうことを聞いてくれないのだ。
 今日のスケジュールに無理があり、気持ちばかりが焦って居ることに気づき、一旦気分を変えるためにお茶にして、妻には自分で運転して病院に帰ってもらうことにした。
 俺は浪次郎に初乳を飲ませに行くことになった。
 
 「!!!」
イチゴや大豆が植わっていたあたりを、たくさんの牛が歩いているではないか!
 急いで、浪次郎をナミコの側まで運んでやり、2回目の乳を飲ませた。
 そして、エサの入ったバケツを振りながら牛の群を誘導しようとしたが、妊娠牛達の柵までは複雑な経路なので、とても一人では誘導しきれない!
 気がついたMikiが、まだ入院中なのに牛追いの手伝いをしてくれた。
 単純な帰還経路を、電気牧柵ケーブルで作り、長ムチで追い込んでいった。とりあえず、3頭を残して柵の中に入れることが出来たので、脱走の原因である空腹を解消させるために、牧草ロールを入れてやる。
 残りの3頭は、俺一人で長ムチを使い、道路を車で塞いで、妊娠牛達の柵に追い込んだ。みんなが牧草を旨そうに食べていたので、こっちの方は簡単に追い込むことが出来た。
 脱走経路を探り当て、新しく電気牧柵を張り直した。雪解けがすすみ、たくさんのギョウジャニンニクが芽を出していた。
  
 ちょっと休憩し、大急ぎで夜牛舎作業を済ませ、せたなの医療を考える勉強会に行った。高橋町長が、北桧山国保を主幹病院にするという公約は、最初の頃の講演会では入っていなかったそうだ。
 
 合併協議会では、主幹病院が必要な話が出て、北桧山国保の立て替えの話も出たそうだが、20億円近い巨費や、その後の運用経費の増大、医師の確保(6人以上)が難しさなどが問題になり、道南ロイヤルを主幹病院にする案が出たそうだ。
 道南ロイヤルを、主幹として整形外科や24時間救急整備などをしてもらうのに必要な補助金の額を聞いたら、約4億円くらいだそうだ。
 現在ある建物や機材、100人近いスタッフを有効に使う方が、余った資金を「一次産業の振興」など、いろいろ使えて住民の役に立つと思うのだが・・・。みんなは、それでも国保を建て替えたいですか?

 来年の4月に、瀬棚診療所に内科医が来るあてがあると町長が言っていた話は、議員さん達は聞いていないそうだ。要するに、まだ判らないということだ。

 市町村国保経営安定化支援政策については、やはり俺が町長に指摘したとおり(俺は小平議員の議会質問後、資料を取り寄せ調査しただけなのに!)、予防医療への取り組みや、長期入院患者の自宅復帰させる対策など、具体的な取り組み案を添えて応募しないと、手を挙げただけでは選ばれる可能性は低いそうだ。
 医療費が高い自治体救済のための支援政策で、
「部下に書類を出させたよ!」
で良いという考えの町長の認識に、かなりのズレがあると思った。
 旧瀬棚町がモデルになった、道の事業なのに、選ばれなかったらとても不名誉なことだと思う。
 
 北桧山や大成区の皆さん!この市町村国保経営安定化支援政策の対象に選ばれると、ワクチンなど予防摂取率の向上!生活習慣病に対する保健師の支援。長期入院患者の家庭復帰促進(在宅医療のこと)などが、道の補助(5割くらい)で整備されるはずなんですよ!町長に、もっと真剣になるように働きかけませんか?
 
 町長は、瀬棚診療所はおろか、北桧山国保病院の視察もやっていないという話が出た。
 俺は、町長の医療ビジョンのことばかり言っているが、医者に来てもらおうと思ったら、「首長としてこういうビジョンがある」と語れなければ、何処の医局からも相手にされないそうだ。

 昭和の大合併のとき、中心だけが栄え、地方が寂れるということがあったそうだが、今回の合併協議会では、中心だけよくしてはダメだということで、合意されていたそうだ。
 
 せたなの医療を考える会は、瀬棚区の診療所を守るためだけに動いているわけではない。現在のせたな町では、大きな病院という箱物だけを作って、どんな医療をしたいのかが何も決まっていない。
 このままでは、安心してくらせる町で無くなってしまうという危機感を持って、全せたな町のためにどうしたらいいのか考えている。

 誰もが安心してくらせる町にするために、あなたも参加しませんか?
  
 俺は、町長に吉岡医師のところに勉強しにいった方がいいと言って、町長に吉岡医師の面会を約束してもらったが、吉岡医師の現在の勤務状態は、とても面会時間を取れる状態ではないし、吉岡医師の思いのつまった本を、町長に読んでくださいと渡したのだが、読んでくれなかったそうだ。
 このような状態を、町長に報告しに行かなければならないのだが、なんと言ったものか迷っている。
 
 「ブログを読んでるよ。」
と声をかけてくれた皆さん。昨夜はとても体調が悪く、まともな受け答えが出来なくてごめんなさい。