種付け 泣いた!笑った!5.6%減 コウモリ 感じたこと

 睡眠導入薬と安定剤が無くなったのと、過度のストレスで、昨日はほとんど一睡もできなかった。だんだん開け行く空を眺めながら、ときどきうなり声を上げるので、心配性のゴロウには可哀想だった。
 こんなときでも、体の疲れは取れているものなので、無理矢理起きて朝から焼き肉を食い、朝牛舎に行った。急いで作業したいときに限って、何か怪しい雰囲気を感じるものだ。外で、アキコとモモカが怪しい雰囲気をかもし出していた。しかし、11時までに診療所に行って受付しないと、薬がもらえないので、とりあえず獣医さんには、電話をしておいた。
 
 医師が一人になったので、病院は待ち時間が長くなっていた。看護婦さんもとても気にしていて、気の毒だった。
結局1時間以上待った。

「何かストレスでもありますか?」
知ってるくせに・・・!
 でも、時間をかけて診てくれ、いろいろヒントをくれた。

 急いで帰ったら、アキコとモモカの他に、サチコまで一緒になって乗り合っていた。モモカは乗るだけなので、発情は2頭だ。エサで呼べないか試したが、乗り合いに夢中で全然ダメだ!他の牛を繋ぎ、長靴を履き替え、長鞭を持って出かけた。変な方向に逃げられそうになっても、かなりの距離届くので、3頭とも牛舎に追い込むことができた。他の牛を放し、獣医さんにどの牛を種付けするか書き物をした。
 
 慌てて着替え、出発だ。昼寝をしたかったが、今日は何が何でも会いに行きたかったのだ!聴力検査中で、しばらく待った。ベッドに横にならせてもらうと、たちまち寝てしまいそうだ。ちょっと休んだところに帰ってきた。起きてる!最初は、俺の顔を不安そうな顔で見た。
「俺が父ちゃんだぞ!」
両手で俺の指を握らせ、動かしてやると、ご機嫌になった。足を触ると柔らかく、何とも言えない。泣いても、話しかけるとすぐに泣きやむ。
 
 医師から説明があった。看護士が俺から赤ん坊を取り上げようとしたので(預かってくれようとしただけ)
「このまま聞いても良いですか?」
ちょっとでも抱かせてよ!
 聴力には異常がないが、ミルクをあまり飲まないので、体重が5.6%減ってるそうだ。別に肥育するわけではないので、異常がなければゆっくり大きくなるさ!大人しすぎるのも、個性なのか、薬の影響なのかは判らず、頭のCTでは異常がなかった(あってたまるか!)
 
 名残惜しいが、体力の限界前に帰って、夜牛舎をしなければならない。犬たちは、ハイラックスの荷台でよく待っている!いつも、川にかかる古い橋の上で休憩し、犬たちを降ろしてやる。呼べばいつでも帰ってくるし、しつけてあると、犬たちも自由にできて幸せだと思う。

 発情牛は2頭とも種付けがすんでたが、ヒカリコの妊娠鑑定は判らないそうだ。念入りに糞出しをした。
 今年初めて、コウモリが飛んでいるのを見た。気温は5℃だ。確実に春が近づいている。
 
 今回のことで、いろいろ見えてきたところもある。
 クローズアップ現代でも,合併協議会でも,予防医療の効果を示すデータが得られなかったようなことを言っていた。
 広島大学大学院の烏帽子田教授でも,平成3年から,平成14年までに、瀬棚の老人医療費が半減したデータを使って、
「予防医療だけの効果で下がったか判りにくい。」
と言っていた。

 使うのなら村上医師が着任して予防医療をはじめた平成11年からやらないと,変な要素が入ってしまう。
 平成11年に一人100万円(道内19位)だった医療費が,平成15年までに77万円(道内177位)まで下がったデータを使えば,その予防医療の効果は、はっきりしたものではないか!
 こういったデータは,出す人の意志によってどうにでもなることは,先日言ったばかりだ。あの番組のディレクターは,取り上げるデータを誤っていた。大学院の教授でさえ、与えらルデータが判りにくいと、あの程度のことしか言えなくなってしまうのだ。
 
 合併協議会でも,(意図的に?)そのような判りにくいデータが使われたのだろう。だから、予防医療は効果がはっきりしないという結論になってしまったのだ。

 今回、俺が町長の後援会の人を頼んで会いに行ったのは,町長に身構えて欲しくなかったところが大きい。先日、医療を考える会で泣きながら署名を提出する代表から受け取る町長は,とても血の通った人間に見えなかったが,先日お会いしたときは、村上医師の名を出さない限り、話のわかるいい人という印象を受けた。
 俺の出したデータを見て,素直に驚いておられたように見えたし,自治医大の研修医に、文部科学省から補助金が出た話も,すごく興味を持たれたようだった。俺の受けた印象では,初めて聞いたという感じだった。そして、そんなに美味しい話があったのか?と興味を持たれたようだった。
 
 だが、村上医師は,この話を何度も町長にされたようなのだ。それが直接だったのか,誰かを通してだったのかは,これから調査していかなければならないが,寝る間を惜しんで調べた研修医システムや,道が市町村国保経営安定化支援政策など(まだ計画段階だった)町の財政を圧迫しないで,町の医療を高めよと計画して作成した医療提案の話は,以前直接聞いたことがある。

 疲れてどうしようもなくなると,突然夜中の3時頃、蕎麦を打って食べたそうだ。そんな思いをして作った医療提案は,どこかで握りつぶされてしまったようだ。何度話しをしても、全然理解してもらえなかったと聞いたこともある。その結果が、32ページ12項目と言われる意見書で、通っても通らなくても、辞めるつもりだったと言わせてしまったのだ。
 村上医師は、必死に考え、訴え続けたのに、できない理由だけ挙げて、どうやったらできるようになるだろうかと考えようとしなかった、その時の町長に心底疲れてしまったのだ。
  
 「残ってくれるようにわざわざ署名してやったのに、村上先生は出て行った」
と、逆恨みしている人がいるようだが、村上医師は僕らが知らないところで、死にものぐるいで頑張って、疲れ果ててしまったのだ。署名ぐらいたいしたことではないではないか!

 町長はどこかで、マインドコントロールされていたのではないだろうかと感じたのは,俺の個人的印象だ。俺が話したときには,とても素直に聞いてくれた。せたなの医療を考える会の代表も。
「署名を出したときとは別人のようだ!」
と驚いておられた。
 つまり、取り巻きの人たちが,村上医師と町長村の関係を、まともに話ができないほどたたき壊していたのだと、俺は感じた。

 何のためだ?
 自治医大の研修先は、瀬棚診療所だ。北桧山国保病院ではない。研修生は、町内の病院をまわることができるはずだが、瀬棚診療所が重要視されると、面白くない人たちがいたと考えるのが、自然なような気がする

 村上医師は、道南ロイヤル既存の医療施設を、有効に使いつつ、北桧山国保を基幹病院として、大成と瀬棚は診療所にすることを考えていたそうだ。(町長が、村上市の辞任理由として発表したこととは違う)
 
 大学院の教授さえ、惑わすような資料を提供する人が、医療対策審議会のメンバーに入ったら・・・と思うと、ゾッとする。
 今回の騒ぎは、村上医師と町長の単なる衝突ではなく、裏で暗躍している人が沢山いると言うことだ。
 反町長派の人に
「この問題は、理屈じゃなくなってるんだよ。20億の立て替え工事があるかもしれなかったら、俺も甘い汁吸いたいよ!」
と言われてがっかりしたことある。

 まだどうなるか判らないが、俺ができることは、できるだけやるつもりだ。

 ところで、どなたかベビーベッドをあましてませんか?