緊急入院 医療対策審議会

 Mikiの具合は、ずっと悪いままだ。朝牛舎を終えて、俺はお昼頃に帰ってきたが、ベッドの上で苦しそうにしている。急いで婦人科外来に電話したら、
「すぐに連れてきてください。入院させましょう。」
ということになった。直ぐたって、馬も妊娠牛も腹を空かせて、今にも脱走しそうだったので、慌てて牧草のロールを入れてやった。
 入院の準備はあらかじめしてあったので、車に積み込み、ゴロウとカイトも乗せて出発。
 風邪をこじらせたようだが、子供の心音は元気に聞こえていた。熱が下がったら、予定通り手術することになるそうだ。
 俺も風邪をひいているので、病院内でもマスクをしていた。ネブライザーの部品を焼いてしまわなければ、吸引治療が出来たので、もうちょっと楽だったのに!

 往復2時間の道のりは、一人で牛舎作業をし、もうすぐ子牛が生まれそうな今の環境では、けっこう厳しい!
 もちろん今までだって、一番近い婦人科は、50km以上離れた八雲にしかないのだが、子供が生まれ、瀬棚の診療所から医師がいなくなったら、病気をする度に往復しなければならないのだ!
 
 町長の公約には、「医療の向上」が掲げてあったが、全国から注目されていた先進的地域医療のモデルケースを「財政難」(嘘だった)などと言ってぶち壊して、4732名の署名を受け取りながら
「私の立場も理解してください!今日はご苦労様でした!」
とまるで聞く耳持たない態度は、これからのせたな町の医療体制に、大きな不安を感じさせる。
 町長自身は、「医療の向上!」「1次産業の振興!」など、かけ声だけは聞こえてくるが、やっていることは逆のことばかりで、何一つ具体的な方策が見えてこない。
 せめてようやく発足する医療対策審議会に、吉岡医師が参加して、自治医大からの研修医(医療経験3年以上の)が、ただ同然で来てくれるシステムに乗っかれるような、しっかりした審議会になって欲しいものだ。
 これは、瀬棚区の為だけになるものではない!全せたな町の医療の向上に、絶対欠かせないことだ。

 今日は疲れているので、内容が過激になったけど、勘弁してください。