蜜三郎悪化 みんなでせたなの医療を考えよう! 

 蜜三郎の症状は、良くなっていなかった。昨日より息が荒い。点滴を2倍にして、補液をやめてみた。でも・・・。臭いを無くすため、あまり汚れていない(食べないので糞尿が少ない)敷きワラを、全部交換した。

 午後から、昨日の勉強会で学び、考えたことをまとめたかったので、糞出しを出来るだけ終わらせて、午後からの時間を作った。
 
 地域医療の医師は、総合医(家庭医)でなければ勤まらず、消化器や心臓の専門医が来ても、意味がないのだ。ところが、総合医を育てる大学はほとんど無く、病院で育てるしかないそうだ。
 そんな中で、地域医療に特に力を入れている数少ない大学の一つに自治医大がある。瀬棚診療所は、その自治医大が地域医療の研修先として、推薦する医療機関のトップにあげられていた。
 町長がもし「ノー!」と言わなければ、医療経験3年以上の医者で、特に地域医療に関心のある人が、研修医として恒常的に町にやってきて、しかもその費用は自治医大が負担してくれるシステムがあと少しで構築されるはずだったのだ。
 3町合併した現在、3つの地区をその研修医を含む数人の医師で持ち回りすることで、質の高い医療をすべての住民が、少ない税負担で受けることが出来るはずだった。

 残念ながら、町長はそのような医療政策提案を理解することが出来なかったようで、
「財政難なのに、研修医の受け入れは出来ない!」
などと言っておられたのだ!
(実態がわかってみると、町の負担額は医師一人月1万円くらい) 
 その後の町長の発言で、
「金のかからない研修医なら、いくら来てもかまわない!」
と言うのがあったが、まず事情もわからずにむげに断っておきながら、先方に失礼である。次に、そんな考え無しの町長の下で、十分な地域医療の研修が出来るとは思わないだろう。

 村上医師が取り組んできた地域医療の考えや、今後国からの補助が削減される中で、5年10年先を見据えた医療政策を考えていかなければならないのに、町長が全く理解していないことが、これまでの町長の言動、答弁などと、村上医師の話を合わせるとよくわかった。
 最後に、村上医師の言葉で最も心に残ったものは、
瀬棚区だけ、診療所の体制が維持されればいいという考えではダメ!合併して一つの町としてやっていくのだから、北檜山区大成区も合わせて、全体の医療を向上させなくてはならない!自分の住んでいる地域だけ良ければいいというのは、地域エゴだ!」
 
 蜜三郎の体力にも限界に近づいているようである。昨日はエサにも興味を示していたが、今は息をするだけで必死である。人間なら、ICUに入って酸素吸入しているはずだが・・・。明日の朝まで、立っていられるだろうか?

 家に帰ったら、部屋中煙だらけだった。もうちょっとで火事になるところだった!