地域懇談会2(診療所の今後 非公開の意見書が公開?) 去勢準備 

 町長は、選挙戦で「行政サービスの向上」「財政の健全化」「安心してくらせる町づくり」をあげ、町民の声に耳を傾け、豊かな自然を生かした町づくりを約束してくれたはずだ。地域懇談会に集まった何人もの人が、この町長の公約を信じて投票したそうだ。俺もその一人だ。選挙運動中の町長との話では、「医療は、現状維持ではダメだ。向上させる。」と言っていた。

 しかし、懇談会の答弁では、今後の医療政策について、まったく具体性が無く、公約を裏切る内容で、がっかりした。
答弁では
 ・診療所は、吉岡医師が半年残ってくれるが、その後の医師確保の見通しは全くない。
 ・一人体制なので、入院、急患、夜間の受け入れはしない。
 ・土日以外にも、外来休診時間ができる。
 ・眼科は、北檜山国保病院に持って行く。
 ・北檜山国保病院の協力もあるから、我慢して欲しい。
と言っていた。これは、瀬棚区の住民にとっては、医療の現状維持どころか、大きな後退だ。

 俺を含む多くの人が、町長と村上医師の直接の対談の席を設けて、腹を割って意思疎通を図り、村上医師を慰留し、せめて現状の医療体制を維持してくれることを望んでいた。

 町長からの、村上医師が辞める理由についての説明であるが、
「なぜ辞めるのか判らない。」「村上医師との意見の食い違いはない。むしろ同じ考えで、話し合いがつかないはずは無いと思うが、辞意が固い。」「子どもの教育問題などの、個人的理由があるのではないか?」「意見書が通らなくても辞めるつもりだったと言っていた。」「医者はみんないつかは辞めるものだ。」

 村上医師から町長に出された、32ページ12項目に及ぶ意見書の内容について、公開して欲しいと町民からの要望が出されたが、町長は
「建設的な意見も随所に見られたが、具体的な関係者の名をあげて批判などがあり、村上医師要望もあり、村上先生の将来のためにも、公開することはできない。」
同じ理由で、議員にも公開していないとのことだった。

 ところが、先日の「せたなの医療を考える会」に出席した笠原議員は、この非公開のはずの原文を持ってきており、みんなの前で一部を読み上げていたことを、神田代表に指摘された。このことは笠原議員は慌てて、
「診療所のホームページ掲載文などから、自分が調べたもので、町長への村上医師の意見書ではない。」
と弁明していたが、小平議員から
「当日のビデオでも確認したが、笠原議員は確かに『11月15日に出た村上医師からの意見書の原文がここにあります』と言っていたし、なぜ持っているか聞いたら『職員だったらみんな持ってるよ』と答えた。」
と突っ込まれた。会場に来ていた住民からも、笠原議員が確かに原文を持って、その一部を読み上げていたことを、指摘する声がいくつも上がった。

 非公開の文書のはずなのに、なぜこのようなことが起こるのだろうか?
 町長の答弁を聞いていると、非公開と言いながら、村上医師を追い出すのに都合のいい部分だけは住民に説明しているところもあり、みんな不満に思っていたところだ。町長は、一部の議員にだけ機密文書を漏らしたのか?これは、住民の医療を向上させるために、辞表をかけて意見書を出した村上医師の政治的行動(?)なんかより、よっぽど重大な政治問題ではないのか?議会でも追求してくれる事になった。
つづく

 元六郎と密三郎を近々去勢するため、同室に移動させた。あまり引っ越しばかりさせるのは、衛生上もよくないのだろうが、先日去勢した綾次郎を、大きな子牛の部屋に移動させたり、3人娘の部屋の汚れ方が激しいので、分割させる必要性を感じており、細かな観察と配合率の違うエサの同調など、いろいろやることが山積している。

 現在、生活のすべてが、この懇談会報告の作成を中心に動いている。夜牛舎を終わって、8時頃帰ってきたら、愛馬ポパイが
「腹減ったぞ!」
と、こめかみにしわを寄せて立っていた。義妹が人間の飯を作ってくれていたのだが、もうちょっと時間がかかるということだったので、牧草ロールを入れてやった。子馬のビクターが、ロールのひもをほどいている間、俺の顔を嬉しそうに見つめて、顔を寄せてきた。あまりに可愛く、思わず抱きついてしまった。
 晩飯はピノコ(我が家で飼った黒豚)のトンカツだった。これで最後の肉だった。とても旨かった。後は、ハムと少しのベーコンが残るだけだ。
 義妹が、俺の納豆を気に入ってくれ、今日は自分で仕込んでくれた。俺は偉そうに指示するだけですみ、とても楽だった!