台風並みの低気圧は、俺の牛舎を壊しただけでなく、電話線にもダメージを与えたようで、電話もファックスもほとんど通じない。
 朝から気合いを入れて仕事した。元六郎が血便をしていた。同室のミカンの便は固まってきたのに・・・。「コクシジュームではないと思うのだが・・・。疑ってみてもいいと思うけど・・・。」とりあえず、ダイメトンを使わず、細菌性の感染症として治療してもらった。元気はあるし、熱はない。
 明日出荷の幸次郎を、スタンチョンに繋ぎ研いた。幸次郎を「牛タン!」と呼び、特別可愛がっていた。子供の頃から病気したことがないので、とても人懐っこく、作業していると長い舌で舐め巻くって、邪魔でしょうがない。今日も、ちょっとした隙に、鍵を舐め上げて脱走騒ぎを起こし、牛舎前広場を目指した。
 とりあえず、崩れた合掌の1枚目を動かした。一人ではビクともしないので、繋ぎを取っていた板を外し、トラクターで吊り上げた。端の2枚は、足場にかかっていたので、真ん中で真っ二つに折れていた。2分割して運んだ。置き場の平らなところが無いために、ユンボでぬかるみを削ったり砂を撒いたりした。
 D型倉庫内の牧草ロールを置き換え、雪の重みで曲がったフレームを外側に押し広げた。ハイラックスの荷台に積みっぱなしだった砂を、倉庫内の機械を置く場所に撒いた。
 昨日生まれた「モミジ」は、胃袋も小さいようで、2リットルのミルクを1度には飲み干せない。日に3回哺乳しなければならなさそうだ。
 CDを借りたのに、うちのステレオはCDを認識しなくなってしまった。
「キュルキュルキュル・・・。」
ゴロウの尻尾でさんざん叩かれたから・・・。