脱走牛捕獲作戦 アヤ発情 コンクリート練り ホタルと綾次郎発熱

 早朝から友人がやって来て、脱走した牛が古い牧場に戻って子牛を出産したが、捕まえるのを手伝って欲しい、と要請があった。その牧場の広さや斜面を知っている俺は、子牛を抱きかかえて急斜面を何百メートルも歩くのは無理なので、トラクターで来てくれるよう頼んだ。普段、受精卵移植で生まれた子牛を運搬するのに使っている、500kgの肥料袋を用意した。現場に行ってみると、今年の夏に熊に牛が食べられた事件現場近くに、脱走牛がいた。すごく警戒していたので、犬たちを荷台に待たせて、用心して近づいた。足下に子牛が寝ていた。すぐに捕まると聞いていたが、モクシがきつくてつかめない。そのうち、子牛が立ち上がり、一緒になって逃げ始めた。意外と速い。腰近くまで生えた牧草の中を、走って追いかけ、見失わないようにするのがやっとだった。そのうち子牛が疲れてうずくまったので、友人のトラクターが追いつくのを待って背後に回り、危険(母牛に襲われる)を覚悟で、子牛を捕まえ抱きかかえた。後ろ向きになると危ないので、後ずさりしながら、友人のトラクターのところまで行き、袋の中に子牛を入れた。やがてやって来た母牛も、足を踏まれたり、トラクターに押しつけられたりしながらも、ロープで縛り確保した。そのまま母牛はトラクターの後に縛り付け、家まで引いて帰り、子牛は袋ごと俺のトラックに乗せ、友人の牛舎に送り届ける。
 帰宅途中、師匠がカボチャを軽トラに積んでいるのを見かけたので、止まって手伝う。何やら、催し物があって、売りに出すそうだ。お礼にカボチャ10個ももらった。
 遅くなったが、朝牛舎をする。Mikiがミルクをやってくれたので、とても楽だった。
 屋根のペンキ塗りをしたかったが、風が強く危険なので、コンクリート練りをした。今日はユンボを使わず、スコップでコンクリートを現場まで運んだ。ミキサーで3杯目を練って、作業方針を説明していたら、カタン!という音を立ててストッパーが外れ、コンクリートをミキサーの下にぶちまけてくれた。
 ストッパーは、毎回手でしっかりはめ込んでいるのに・・・。えらい苦労して、コンクリートを集め、現場に運び込んだ。この事件のため、今日は3杯で時間切れだ。雨が降るので、ブルーシートをかけたが、風が強くて苦労した。
 アヤが発情していた。出産後28日目で、2回目の発情だ。今回は見送ることにした。綾次郎が、ミルクの飲み方に元気がない。熱を測ると39.5度。ホタルも同じくらいだ。下痢もしてるし、明日マイシリンでも買って注射しよう。