馬鹿宙太 離乳 運命の選択

豚運車・勝者ローズ

朝起きたら、客間で宙太が鳴いていた。ドアを開けると、宙太が飛び出し、客用の布団の上にオシッコの跡が!
「馬鹿野郎!」
ファブリーズをかけても無理だろう?
 牛舎では、ツボミが待っていた(脱走していた)。いつもどおり、あたりを汚さず行儀良くエサを食べまくったようだ。当然、マルコも脱走していた。今日こそは柵を直すぞ!と思いつつ仕事をする。
 俺が市場に行った時の、子牛の部屋わりを考えたが、4頭出荷したら、バッチリバランスのとれた部屋わりが出来ることがわかり、ちょっと安心した。出産予定のナカボクも、産室に入れておけるので、あまり心配いらない。
 ブランカを馬装して、まず俺が乗る。とても素直だ。走るところまで指導してから、交替したかったが、獣医さんが来たので、俺は慌てて牛舎に行く。
 ナナミと百次郎は、沢山の注射を打たれていた。今後とりあえず、離乳してしまうことになった。毎日、ストマックチューブでミルクを飲ませるのは大変である。
 明日、黒豚のローズかピノコのどちらかを、屠場に連れて行くことになっているが、どうやってトラックに乗せるか決まっていない。
 Yさんは、うちの馬たちの行儀の良さに驚いてくれた。基本的な削蹄技術を教わった。裂蹄しているブランカの蹄に、油を塗ることを勧めてくれた。他の馬にも試して見よう!
 いよいよ選別の時である。ハイラックスを豚の柵ギリギリに止め、発酵床の敷物を積み上げて荷台の高さまで斜路をつけ、糖蜜やエサで誘って先に荷台に乗った方が勝ちである。先にピノコが挑戦したが、後ろ足をどうしても乗せることが出来ず、リタイヤ!しばらく、柵のバラ線を張り直しに行っていて、帰ってきたらローズが荷台でエサを食べていた。やはりローズを残すか!その後、ピノコも乗ったが、ローズに脅され荷台から落ちてしまった!百キロ近い巨体を持ち上げることなんて出来ないから、壁を壊して柵の中に戻した。