面談 ブロードキャスター 

 早朝起きて、朝牛舎をやった。昨夜寝るのが遅くなって、辛い!
 なんとか、9時前に終わらせて、診療所に行った。ドクターと話があったのだ。ドクターの考えを聞き、我々の考えを伝えた。Mikiは、ドクターが事を荒立てない方向に考えていることを聞き、すっかり気が弱くなってしまったようだった。俺は一旦席を外して、しばらくしてから帰ったら、Mikiも落ち着いていた。不当な扱いを無くし、再発を防止するためには、責任の所在を明らかにして、処分と謝罪を求めていかなければならないという原点に立ち返った。
 教育長と局長、及びドクターが来て、話をした。案の定、「ちょっと行き過ぎもあったかも知れないが、音便に・・・。」そんなレベルの話ではない!人間的に、全く信用できない人間に、形だけ頭を下げられてなんの意味がある?復帰しても、すぐにいびられておしまいである。

 午後から、ブロードキャスターで肥料撒きをした。500kgの肥料を積み込み、急斜面を登ると、フロントタイヤの過重が減り、とても不安定になる。散布しだしてすぐに、ガス欠になった。ポリタンクの軽油を取りに帰る。カイトが嬉しそうについてきた。燃料を入れ、燃料噴射ポンプのエア抜きをして再出発。1杯目が終わり、念のために燃料を追加しに帰る。

 狂犬病の予防接種のために、s獣医が来た。実は先日、彼女の練習台になったゴロウは、今日は注射の必要がなかった。「みんなゴロウ君のように、大人しければいいのに・・・。」飼い主が触れないほどの、大変な犬がいるらしい。頑張れ!

 燃料タンクからの給油には、20分くらいかかる。ちょうど良いので、牛の様子を観察。忙しくしていると、たいてい病気になる。元四郎が、39.6℃あった。すぐにマイシリンを注射した。糞出しするひまがないので、アンモニアが発生しているのだろう。扇風機を回しているが、追いつかないのだ。敷きわらを大量に追加してごまかした。
 2杯目に行ったが、すぐに止まってしまった。「?」理由がわからず困った。いろいろ調べたら、先日サブタンクを外したとき、メインタンクから来ているホースについたハンドルを閉めたことに気づき、全て解決した。(馬鹿者!)カイトは、北山の肥料散布中、ずっと着いてきた。きっと辛かっただろう。ブロードキャスターとは、粒状の肥料を撒き散らす機械なのだから・・・。顔を背けながら、一生懸命着いて走っていた。

 積み込みに来たら、父兄が来ていた。担任が休んでいるが、どういうことか確かめに来たそうだ。1時間ほど話をした。「どっちの味方にもなるつもりはないが、このような事が再発しないようにしてくれ。」ということだった。こっちは、「なりたくてそうなったわけではない」事を話した。

 予定が狂い、日が暮れてきた。雨が降る前に、できるだけ終わらせなければ・・・。一度に1000kg積んだ。すごく不安定だ。残量と斜度を考えながら、転ばないように注意深く作業した。行き帰りの時間が短縮されて良かったが、そのうち、タイヤの跡が見えなくなり撒き終わったところがわからなくなった。周りの木などを利用して7時半まで頑張ったが、全部は終わらなかった。師匠に、「絶壁」と呼ばれるような斜面を、ライトをつけながらやる作業ではない!
 こんな日に限って、事件が起こる。押しの強い大子牛達は、エサを食べるときに全員が前のめりになって食べるため、エサ箱が前に前に押し出されていた。今日とうとう壊れてしまい、ぶつぶつ言いながら修理した。元四郎の熱は39.3℃まで下がった。