ゴロウは、もはや自力では一歩も歩くことが出来なくなった。ただ、一人残されることは昔から嫌いだったので、毎朝牛舎に連れて行き、日陰に寝かせて時々声をかけたり水を飲ませたり・・・。
 濃度を十倍に濃くした薬が届いたけど、もはや飲ませることさえ困難になっている。アメリカには注射薬もあるらしいが、日本ではまだ入っていないらしい。本来なら、血中の濃度を見ながら薬の量を増減させる事も考えられるが、ここは離島だしゴロウを鹿児島に連れて行っても、この状態で預かってくれるペットホテルも無い。それに、大学に連れて行っても、そのまま帰ってこれないことも考えられる。
 毎日、大学の教授とメールで連絡を取りながら世話をしているのだけど・・・。