カヌー仲間

 当然出ると思っていた船は、なんと欠航した。一刻も早く島に帰って仕事をしたかったのだけど、飛行機をチャーターするほどでも無いので、友人に電話してカヌーに乗せてもらうことになった。
 使うのは、サーフスキーという初心者だと跨がることさえ困難で、すぐにひっくり返るカヌーだ。
 往々にして、自由と安定は対極にあり、安定している船は重くて自由に動けなかったり、ものすごく高速な船は細くて不安定だったり・・・。
 サーフスキーは、俺が普段乗っている2.5人乗りのシットオントップカヌ−の対局だった。体育座りする姿勢そのものが不安定で、そうしようと足を水から上げただけでひっくり返る。これでは、進むどころの話では無い。
 サーフスキーと同じ形状の、シットインタイプのカヤックがあり、こちらは重心が低いのでなんとか乗ることができたのだけど、一度ひっくり返ると再乗艇が一人では大変である。午後から風が出てきて、緊張のあまりラダー(舵)を踏み抜いて壊してしまった。すると、それまで乗れていたカヤックなのに全く前に進むことさえ困難になり・・・。
 そこで、日本製のサーフスキーを持っている方からお借りして乗せてもらった。ほぼ同じ幅なのだけど、船底がちょっとだけ平らになっているその船は、先ほどまでの船は違い、足の届かないところで転覆しても一人で乗り込みできることが解った。先ほどまでの練習が効いているのかもしれないけど、これなら乗れそうだ。
 一日中カヌーに乗って、すっかり疲れてしまって、バテバテなのだ!
 
 夜は、カヌー仲間の方の家に呼ばれて、バーベキューをいただいた。