牛を背負う日

 湾放牧地の牛が、隣の放牧地に脱走していた。それを回収して破れた柵を修理しようと、放牧地の奥の方に出かけたら、生まれたての子牛を発見した。近くにせりながいた。
 せりなのお産は月末予定だったので、産室に空きが無いからまだ移動させていなかったのだ。
 まずは抱きかかえて、車の方に向かう。大名竹を餌とする放牧地を、子牛を抱えて歩くのは一苦労だ。母牛が着いてくるのを確認しながら歩くが、腕が痛くなってきたので、肩に担ぎ上げた。そういえば、北海道の牧場でも、子牛を担いで急斜面の放牧地を歩いたことがあったっけ・・・。 
 担ぐとかなり楽なのだけど、子牛は胸が圧迫されて苦しいらしく、そのうち暴れ出した。落ちそうなのをずらしていたら、おんぶ状態になった。これはこれでとても背中にフィットして歩きやすかった。子牛はそのまま車に積み込み、親牛はロープで引いて牛舎に帰った。