みぞれ

 今日は、横殴りのみぞれが降る寒い日だった。こういう日は、防風ネットカーテンを降ろして降り込みにくくする以外、あまり対策を取れない。
 完全に密封できる北海道の牛舎しか知らなかった俺は、初めてここの牛舎を見たとき、壁の無いことに驚いた。暖かい地方だから、防寒よりも換気の方が重視されるのだと理解したが、台風の時とか今日のようなみぞれ混じりの強風の時は、壁があった方が良いのでは無いかと思い、ちょっと改造を考えつつ今日に至っている。
 寒い北海道では、敷きワラを沢山敷かないと、子牛は風邪を引いてしまう。沢山敷くと、もったいないから汚れるまで使いたいのだけど、密閉した牛舎だとアンモニアが発生するから、あっという間に肺炎を起こしてしまう。だから、毎日惜しげも無く綺麗なまま交換してしまうか、ダクト換気扇などで新鮮な空気を外から取り込まなければならない。窓を開けると、地吹雪が吹き込んで真っ白になってしまうのだ。
 その点、壁の無い牛舎は、換気はなかなか良い。大牛舎には、大口径の換気扇を取り付け、床を乾かしアンモニアを吹き飛ばせるようになったし、風のおかげで夏ばてする子牛が減った。後は、電柱牛舎と哺乳ロボット小屋にダクト換気扇を取り付けて、代わりに北風が吹き込みにくくしてやると、もうちょっと快適になるかと思うのだ。
 
 Yumiは、霧島で雪と戯れているらしい。