気持ち悪い潜り!

 O君は、いつもお腹をすかせていて、とても疲れやすい。聞くと、キャンプ生活に疲れ、タンパク質の補給もあまり出来ていないようだった。
 俺はサメが怖いのだけど、何か捕ってこようと思い、海に出かけた。気温も下がっており、厚さ1mmのライトスーツではなく、5mmのウエットスーツを着た。これは、痩せていた頃に購入したスーツな為、しばらく着ていると、締め付けがきつくて吐いてしまう。だから、ささっと潜って帰ってこよう! そう思って出かけた。
 水に入ったら、スーツのおかげで冷たくはないのだけど、ササ濁りがあって視界が効かなかった。こういう海で潜るのは、とても気持ち悪い! 特に、サメの居る海域だと、見えたとたんに襲われかねないので、すごく怖い! いつも以上に、周囲を警戒した。
 
 とりあえず、今日の目的は、何でも良いから獲物だった。目の前に、大きなナンヨウブダイが居た。普段なら、絶対に見向きもしない魚だ。だけど、沖縄では一応高級魚として扱われているし、臭みも少なくたっぷり身がある。
 でも、ちょっと舐めていた。突いたナンヨウブダイは、激しく暴れて銛の先端をひん曲げてしまった。
サメを避けるために、10mほどの長いひもの先に浮きを取り付け、獲物はそこに吊した。濁っているから、獲物は見えないのだけど、サメが食いついたらひもが引かれるからわかるし、いざとなったら、ひもを切って逃げる。なんて考えているが、あまり気持ちの良いものではない。視界の限界距離を、魚の群れが通り過ぎていった。カツオっぽかったけど、何だったのかな?
 
 ウエットスーツは体を締め付け、視界の悪さも手伝って吐き気が・・・。新しいウエットスーツを買おう!