回遊魚の群れ!

 ルーティンワークが終わった時、青空が広がったので、台風の影響が残っているけど、海に行ってみることになった。
 到着した海岸は、波打ち際が泡立っていて、慣れていない人にはきつい条件だった。俺は、こういう海には慣れているし、こういう条件の時に魚が居る可能性が高いことを知っているので、すごく魅力的な状態だったけど・・・。
 ナオちゃんは、頑張って挑戦してみたけど、白波のラインを超える前に、水を飲んで戦意喪失! 俺は、銛をその場に沈めて、彼女の救出に当たった。ちょうど大波が集中したタイミングで、自分ではなく彼女を岩に叩きつけられないように守っていたら、足ひれを片方なくしてしまった(^^ゞ
 ちょっと待ってもらって、なくした足ひれと、置いてきた銛を取りに行った。そして、白波のラインを超えたところに行ったら、ものすごい数のツムブリの群れがやってきた。その陰にいたカンパチを一尾突いて、腰のひもに着けていたら、もっと大きな魚影が俺を取り囲んでぐるぐる回り始めた。大型のカンパチとカスミアジだ! 大急ぎで銛をセットして、二発目を大型のカンパチに・・・。ところが、急所を外した為、ものすごい力で銛の先にあるステンレスの棒を曲げ、信じられない力で俺を海底に引っ張り、ラインを切って逃げていった。
 この銛は、20kgのクエでも仕留められるカーボンファイバー製で、ラインはマグロ用のモノを中糸を抜いて使っている。先日のロウニンアジのように、キルショットなら何の抵抗もなく捕れるけど、筋肉や神経を傷つけることなく刺さってしまうと、これほどの抵抗を受けてしまうらしい。
 一端、陸に上がり、ナオちゃんに魚の群れのことを話したら、見てみたいと言うことになり、白波の岩場を抜けて行くことになった。
 今度は落ち着いていたので、水を飲まずに済んだらしい。すぐに、魚の群れがやってきて、彼女の周りはツムブリやカンパチ、カイワリ、カスミアジなどの回遊魚が泳ぐ夢のようなシーンになった。群れは、通り過ぎた後、何度も何度も帰ってきて、たっぷり鑑賞することが出来た。
 これって、かなりの経験者でもなかなか体験することの出来ないことで、彼女は運を持っている人かもしれない!