削蹄

やらなければならないことがあると、物事をちゃんと楽しめない。出荷牛、三頭の削蹄をすることになった。
 この子達を捕まえるのに、これまでは棒の先にロープを輪にして引っかけていたけど、最近の子牛は逃げないから、棒がいらない。静六郎など、自分から目の前にやってきて頭をなでろと言う。だが、人なつっこいから大人しいかというと、必ずしもそうでは無い。静六郎は、外に連れ出したらはしゃぎまくって、抑えるのにちょっと大変だった。この子を、競りまでにYumiでも楽に引ける大人しい牛に調教しなければならない。 
 最近、馬の放牧地に若い牛達が入り込んでいる。悪さをするわけでは無いけど、呼んだときにスタンチョン前広場に集まれないから、発情を見にくい。そもそも、馬をあまり恐れていない。子牛の頃、哺乳ロボット小屋で沢山馬に挨拶して、仲良くなっていたからかな? 
 こういう牛を、人が追ってもなかなか目的を果たせない。鞍を着けて、ちょっと追ったら、あっという間に逃げ戻っていった。せっかくなので、乗馬してもらった。
 
 仕事を頑張ったから、夜は黒毛和牛のバーベキューとなった。美味しかったけど、ちょっと肉が多すぎたかな?