硫黄岳登山

 今日は、実地訓練だった。午前中は船が出航するから出られない人がいるので、午後から登ろうという話だったけど、帰りが遅くなることが予想されたので、船が出航したらすぐに出ましょうと進言し、10時半から登ることになった。
 お弁当を持って、出発! 途中から、道が崩れたり、落石の危険がある箇所が出てきて、ガイドとしてお客さんを守るために心がける事を学びながら、進む。
 標高が上がるにしたがい、見慣れた風景が変わっていくのが面白い。東温泉から東側は、いつも温泉水で濁っているのだけど、今日は海底が見えるほど澄み切っていて、潜りに行きたくなった。
 火口手前でお弁当を食べたが、そんなことに幸せを感じた。
 火口の南側に登ったら、そこは珪石の採掘場だった。朽ち果てた大型のブルドーザーが、時代を感じさせた。
 亜硫酸ガスは硫化水素吹き出し、防毒マスクをしていないと強烈な臭いがした。時折、噴き出した蒸気と濃いガスに包まれてしまうと、マスク無しでは息が出来なくなった。硫黄岳に登りたいと思って来るお客さんは、そういうシチュエーションに冒険心をくすぐられるのだと思う。
 ガスの吹き出し口には、硫黄が析出しており、昔はこれが大事な資源として採掘されていたようだ。純度の高い硫黄は、濃いガスの噴気孔にあり、ガスマスクをしていても命を削る作業だったようだ。
 火口の北側に移動し、山頂を目指す。一カ所、パートナーをロープで確保して登る場所があり、良い訓練になった。ガレ場を登り、山頂\(^O^)/ 山頂からの景色は、登る苦労の何倍もの喜びを感じさせてくれる。
 
 途中、種付け依頼の電話が二頭分あった。うちの牛も一頭発情していたので、帰ったら種付けだ。
 下山したのは、6時くらい。急いで仕事に駆けつけた。