脱走牛

 お隣の牛飼いさんがやって来て、昨日の牛が無事出産したって教えてくれた! あんな奥に胎児がいたのに、もう生まれたって??? たしかに内診すると、それが刺激になって出産が早まることが多いけど・・・骨盤は下がって尾骨が相当盛り上がっていたけど・・・おっぱいもかなり張っていたけど・・・。こういうこともあるって、学習した。
今朝は、別な牛飼いさんがやって来て、『牛が脱走していたけど、お宅の牛では無いかな?』
 あわてて駆けつけてみたら、緑の鼻輪の牛が四頭ほど・・・! 緑は、うちのイメージカラーなのだ。
 K君に牛たちを先導して貰い、俺は後ろからゆるりとプレッシャーをかける。そして、ゲートのところからすんなり放牧地に戻ってくれた。
 
 脱走牛を回収した後は、柵の修理をしなければ、また脱走するのだ。歩いて灯台下放牧地の柵を、全部見て回った。予想以上にバラ線が朽ちており、二年前に俺が張った場所も、何十年も経ったかのごとくボロボロに錆びていた。とりあえず、応急手当をしながら、柵を一周。