ゆきふく出産

 2日の夜中に、駆けつけ通報メールが届いた。行ってみたら、赤5ゆきふくの陰部から、前足が見えていた。
日付が変わり、かなり苦しんでいるようだったので、助産に入った。
 ゆきふくをロープで部屋の隅に縛り、まずは産科チェーンで体重をかけて引っ張った。だけど、全然出てこない。びくともしそうに無かったので、滑車を使うことにした。部屋の対角線から滑車を引っ張り、子牛の前足をゆっくり引っ張る。人力の八倍のこの滑車で、出てこなかったことは今まで一度も無い。
 引っ張り出したら、すぐに親牛を放して子牛を舐めさせる。こちらは、へその緒を消毒したり、人工初乳を飲ませたり・・・。