春花太郎危機一髪

 朝放送があり、船が欠航した。明日は、鹿児島に上がる予定なのだけど、日帰り片道航海になってしまうから、港に着くのは7時半過ぎかな? 気が重くなる・・・。
 
 K君から、春花太郎が元気ないと、報告があった。看てみると、目に力が無く顔色が悪い(真っ黒だけど・・・)。この子は、からががとても大きいのに、寒がりだったのを思い出す。急いで、牛衣を着せたけど、どんどん元気が無くなり、目がうつろになっていった。
 これはやばい! 急いで車に積み込み、家の縁側に寝かせて、毛布でぐるぐる巻きにした。幸い、日射しがあり暖かい! 苦しそうな息が聞こえるので、体をさすってやったり・・・。
 一時は、あきらめなければならないかと覚悟したのだけど、日差しは春花太郎に生きる力を取り戻してくれた。苦しそうだった息も静かになり、顔を持ち上げたり立ち上がったり・・・。
 これはもう大丈夫ということで、子牛の部屋にトントンマットというホットカーペットを敷いて、そこに入れてやった。
 夕方のミルクも、ちゃんと飲めた。これなら、大丈夫だ!
 
 K君が、竹島研修の時にキャンプしたいということだったので、俺は何十年ぶりかでテントやマットを引っ張り出した。牧場で予行演習のために一泊するのだ。
 夜中に、一度様子を見に行ってみた。春花太郎は、元気そうだった。K君は、テントの中で絵を描いていた。