分包

 夜中は、かなりの雨が降ったようだ。牛舎の中に、雨が降り込んでいた。それでも、仕事をするには邪魔にならない程度の小雨になり、やがては止んだ。
 
 ミルクを作ろうとしたら、水が出なかった。揚水ポンプのスイッチは、毎日欠かさず時間どおりに入れている。水が出ない理由は、どこかで水を出しっ放しにして、水道管内の水がすっかり無くなり、空気が入ってしまったから、タンクに水が補給されても、俺の牛では水が出ないのだ。エア抜きの操作をして、30分くらいで水が出るようになった。ちょっと調子狂う。
 
 日が差しているのに、突然ハラハラと小雨が降る。狐の嫁入りだ。
 何とも言えず、綺麗な景色だ・・・天気と言った方が良いのかな? 仕事は、あまりはかどらない。
 
 家に帰り、食卓を掃除して、ゴロウの薬である臭化カリウムをすりつぶし、分包を作る。一回分が0.7g。最小1.0gしか量れない秤で7.0gを量り、10等分する。
 これは、手で触ると皮膚から吸収されるから、気をつけなければならないのだ。こういう面倒な作業は、とても苦手だけど、ゴロウのためだからしかたない。