再会！

　帰ってきたＫ君と入れ替わりで、俺が鹿児島に上がる。上がる前に、いろいろ打ち合わせもするし、出来る仕事も終わらせて行く。
　発情回復のために、放牧地の草架に入れるロールは欠かしたくない。見回りついでに、ロールを入れて回った。
　
　今日は、枕崎航海と言って、鹿児島から三島を回って、枕崎まで行く航海の、上り線だ。鹿児島到着は、いつもより二時間遅く、午後４時だった。俺が乗ろうとしていた福岡行きの高速バスには間に合わず、新幹線に切り替えた。
　船は、なぜかとても混んでいた。乗っている人は、工事関係者も多かったけど、観光の人も沢山乗っていた。黒島に行った帰りとか・・・。それだけで無く、枕崎から日帰りクルーズで、三つの島を回って、そのまま鹿児島に向かう人たちもいるとかで、４０〜５０人くらいのお客さんだった。明日は、８０人になるとか・・・。
　それぞれの島では、荷物の積み卸しの時間を利用して、土産物を買ったり、硫黄島ではジャンベの演奏や踊りの披露を、見学していた。
　皆さん、興味深そうな面持ちで、楽しんでおられるように見えた。実際に島に上陸しないまでも、フェリーみしまを利用して、乗船率が上がると、赤字の解消になったり、船を新造するとき、補助を受けやすくなるとか・・・。
　
　俺は、普段はなかなか話が出来ないので、乗り合わせた島の人たちに積極的に話しかけた。（と言っても、俺が話しやすい人は限られているけど・・・）
　
　予定がころころ変わったから、あまり早く福岡に着いても、誰もいないので、荷物の大半を明日泊まるホテルに預けに行って、その後鹿児島中央駅でぶらぶら買い物したり、小腹が空いたので、回転寿司を食べたり・・・。
　新幹線は、速いね〜〜〜！　高いけど・・・。
　新幹線の上で、先方から連絡があり、予定を合わせてくれることになった。
　福岡駅の改札を出たら、これまで二回も牧場体験に来ている、えのと茂吉が待っていた。町中で会うのは初めてだ。現役女子大生の二人は、写真の展示会（？）の帰りとかで、丸めた写真を持っていた。アホな俺は、その写真を見せてもらうのを、忘れていた。
　これから水炊きを食べるのに、回転寿司をつまんできたというと、驚いていた。でも、『寿司と水炊きは別腹だろ？』って言っても、理解してくれなかった。
　コーヒーを飲み、阪急（？）の屋上に登り、それから華味鳥という水炊き屋さんに行った。
　鶏肉屋さんが経営するこの店は、とても良い肉が出る！　再会を喜び、近況を聞きながら、舌鼓を打った。
　せせりだけで作ったつみれが、感動的に美味しいのだけど、これもちょっと火が強すぎると、味が変わっていくのがわかった。鶏モツのレバーも、ジャストタイミングと、ちょっと時間を置いたもので、味がまるで違う。もともとレバーを美味しいって思ったことが無いえのが、おかわりをするほど喜んでもらえた。俺が大好きなつみれも、おかわりした。
　二人とも、それほど食べないって言うけど、俺の前で食べなかったこと無いんだよね〜〜〜！　夏に来たときも、沢山食べ過ぎて、太って帰ったとか・・・？
　俺は、俺が美味しいって思っているものを、美味しいって喜んで食べてもらえるのが好きだ。
　３月は、展示会とか補講とかで忙しいと言うことだけど、頑張ってスケジュール調整して、島に来たいって言っていた。
　名残惜しいけど、二人に別れを告げて、ホテルに向かった。
　連休中とかで、福岡市内のホテルは、一泊数万円の高級ホテル以外は空いていなかった。一軒だけ空いていたのは、博多から２７ｋｍ離れた駅から、さらにタクシーで走る郊外のホテルだった。