体重測定日

 子牛の体重測定日なのだ。
 いつもなら、途中に朝食を取る店や、コンビニがあるのだけど、新しいホテルからの道は、慣れていないからまっすぐ待ち合わせ場所に向かった。
 十島村役場前には、十島の牛飼いさん達が沢山集まっていた。顔見知りも増えて、楽しく談笑できるようになってきた。
 体重測定や競りは、俺の仕事に対する通知表みたいなものだ。ここで、日頃の仕事に対して、評価される。今回は、どうだろう?
 9頭も連れてきていると、自分の牛を全部繋いだりすることは、時間的に不可能だ。走り回ったけど、5頭しか連れて行けず、4頭は皆さんのお世話になってしまった。どうもありがとうございます。
 体重を量ってみたら、みんななかなか良い体重で、良かった!
 10kg程度のちびっ子だった富士太郎や、生後ミルクを飲めなくて死にかけていた和泉太郎も、俺の予想に反して大きくなっており、普通サイズの子牛になった! なかなか餌を食べられるようにならず、口の中に手で入れてやっていた。いつも触っているから、とても人懐っこくなり、遊んで欲しいとせがむようになったから、当時入社したばかりだったK君は、知恵遅れでは無いかと思ったほどだった。
 凄く手間をかけ、愛情をかけて育てた子牛が、こういう結果を出してくれると、とても嬉しい。
 今回、うちの牛が大きく育った理由に、大型扇風機の効果があると思う。
 去年の夏は、暑くて子牛がバテ、ぐったりしていたし、少しでも湿っているところを探して寝ていたから、糞尿にまみれていた。ところが、今年の夏は、床は乾いていたし、風で涼む事が出来たから、夏ばてしなかった。そろって大きくなった理由は、そんなところでは無いかな?
 投資して、よかった!