雨漏り修理

 あまり体調が良くなかった。
 牛舎では、昨日哺乳ロボットデビューの静五郎が、お腹を空かせていた。人を見て、お腹が空いたと鳴きながら駆け寄ってきて、後を着いて歩く。これは、楽勝で教えられると思ったのもつかの間、ミルクを飲む枠に入れようとしたら、猛烈な反抗を示した。
 こういう牛は、一人で覚えさせるのが難しい。俺が体を押さえて、乳首に吸い付かせたところで、K君がミルクを吹き出すスイッチを入れる。しばらくして吸い始めたけど、信用できないんだよと説明して、待機していたら、案の定静五郎は途中で乳首を放棄して、出てこようとした。一回目は一応飲ませたけど、この子牛は大変かもしれないと思った。
 
 俺は、K君を連れて乾草庫の屋根に登った。大穴が空いて、雨漏りが激しすぎるのだ。
 この屋根は、ルーフィングという防水紙で出来ており、時々破れるから補修が必要なのだ。
 防水紙を、180cm程の長さに切り、接着面と紙にコールタールを塗り、貼り付ける。これを、傘釘で固定していった後、縁辺部にコールタールをたっぷり塗る。本当は、そこまでしなくても良いと習った。でも、破れた箇所だけを補修するには、こうした方が接着が良いような気がしてね・・・。
 K君に説明しながら、作業をした。晴れていたから、ルーフィングが熱くなって柔らかくなっていた。
 
 昼飯は、K君の歓迎会と、俺の誕生日を兼ねて、恋人岬で焼き肉をした。