島に帰る

 タリーズで朝食を取り、ミスドでお土産を買ってから、タクシーで港に行った。
 昨日置いた荷物は、無事だった。荷物もトランクも、コンテナに預けた。そうすると、船に乗り込むとき、身軽で良い。
 今日の船には、冒険ランドに向かうどこかの学校の生徒の為に、三階と二階の一部までが予約されていて、その他の客は狭い場所に押し込められ、毛布や枕も無かった。
 
 俺の友人は、船に乗るのが初めてで、睡眠導入薬を飲んでしのごうとしていたが、船が揺れる度に座ったまま体をこわばらせていて、眠りに導入されるどころでは無かった。仕方なく、睡眠薬をのむ 硫黄島に着く頃はふらふらになっていた。
 
 そういえば、今回のセリ中も、牧場では留守中に子牛が生まれている。赤6しずかの子、静五郎だ。
 そして、帰ってすぐに牛舎に向かうと、怒りん坊の赤20おしげが産気づいていた。出産を見せてやりたくて急いで部屋の掃除をしていた友人を迎えに行く。
 
 すぐに生まれるわけでは無いので、ユニックで港に届いたエサ5トンを、ピストン輸送した。エサのタンクは空っぽで、今日の船が出ていなければ、子牛たちは飢えることになるはずだった。
 
 種付けも、4頭あった。
 種の着きが悪い原因を調べているけど、どうやら屋根の無い軽トラで、直射日光の下で精液ストローを扱っていた性では無いかと指摘された。だから、友人に日傘を差してもらい、その下で溶かしてみた。どうなるかな?
 
 牧場に帰ったら、おしげは雄の子牛を産み落としていた。