串木野浜競馬、準優勝(^^ゞ

 6時にホテルを出て、串木野の浜を目指す。
 早かったので、浜に近い駐車場に止めることができた。馬運車は防風林を抜けた場所に止まっていた。他の出場者が、馬を松の木に繋いでいるのに、馬事公苑の馬は馬運車の乗ったままだった。回りの馬が興奮して、それが伝染している状態から、隔離するという意図があったらしい。

 豪雨の予報もあったけど、雨は上がり良いコンディションだった。
 午前中は、予選だった。ポニーの部が一番多く、60頭も参戦していた。予選結果を基に、AからEまでクラス分けして、各クラスで決勝を戦い、賞をもらうことになってる。
 ソックスは、ポニーとしては大型なので、ハンディーとして距離を長くしてのスタートだった。ソックスに乗るのは、馬事公苑の会員さんで、高校二年生の男の子だった。勝てる可能性の高いソックスの走りを見て、志願してくれた。
 予選では、早いクラスに入りたくない人たちが、ゴール前でウロウロしたり、ちゃんと走れない馬を、後ろから追ったりするシーンもあった。
 そんな中、Aクラスで優勝するように言われていた我が騎手は、後ろからごぼう抜きしていたけど・・・。
 ポパイの予選は、好スタートを切って、そのまま逃げ切ってゴールした。
 でも、予選だからね。

 決勝の時、あまりトップスピードで走りきらなくても、勝てるかもしれないと言われ、ちょっと油断した。後ろから様子をうかがいながら走った方が良いかも? と言うアドバイスも・・・。
 でも、レースは生もので、そのときそのときに合わせて、的確な判断をするのは、ライダーの義務だ。俺は、それを怠った。
 勝気満々で、飛び出そうとするポパイを抑える為に、スタートでかなり出遅れた。ところが、Aクラスの馬たちは、巨体に似合わず、とても速かった。ポパイのトップスピードなら余裕で抜けると思っていたのに、なかなかスピードが上がらない。これは、もっと波打ち際に移動するべきだったのに、前の2頭を抜かす時、岸寄りのコースを走らせてしまったからだ。
 二番手に上がったが、波打ち際を走るトップとの差を埋めることが出来ないまま、ゴールが迫ってきた。
 届かない!
 そう思ったら、負けるそうだ。競馬は、人馬一体! 騎手が諦めたら、馬は走らない!
 残念ながら、俺の経験と技術が不足していたため、ポパイの能力を生かすことが出来なかった。ごめんね。

 次のレースは、ソックスだった。
 ポパイを馬運車のところに連れ帰るとき、出遅れたソックスが、圧倒的な速さで先頭集団をごぼう抜きするところが見えた。
 優勝を確信していたのに、勝ったのは別な馬だった。ゴール近くで撮った写真も、それまで先行していた馬の前を、ソックスが走っている姿が写っている。
 でも、ここでも油断があったらしい。ごぼう抜きして勝ちを確信した我が騎手であったが、抜かれたセミプロの騎手は、すかさずムチを使って追い上げ、ゴール直前で鼻の差で逆転したらしい。
 レースは、何が起こるか解らないから、最後の瞬間まで、自分に出来るすべてを出し切って戦わなければならない!
 今年の教訓である。来年は、絶対に勝つぞ!
 と言うことで、ポパイもソックスも、準優勝に終わったのであった。準備期間が短かったのに、よくここまでやったと、褒めてやろう!ありがとうね!