目がぁぁぁ!

 3時14分、牛温恵から駆けつけ通報メール来た。段取りメールから半日しか経っていないので、出産はもっと遅いと思っていたのに・・・。外は暴風雨だ。どうせ、一次破水からしばらく時間がかかるので、ゆっくりコーヒーを飲んでから、ぼちぼち出かけた。

 大屋根の熱気を抜く穴は、風雨対策を施してからは、ほとんど雨が降り込むことは無かった。でも、今朝の暴風雨では、大量の雨が降り込んでいた。台風並みの荒天だったのだ。

 こんな日に産まなくても良いのに・・・。助産する俺のぼやき。
 寒気が緩み、暖かくなったから生んだのよ!・・・出産中のまるみのつぶやき。

 何が何でも、子牛の足を引っ張るのが、助産では無い。雨が降り込んだ床に、敷きワラを足したり、正しい胎位で出てきているか確認したり・・・。まるみは、自力で出産した。大豆カスを振りかけ、用水を舐め取らせる。大きな雄子牛だった。三十分ほど舐めさせた後、まるみにエサを与えて一応ロープでしばった状態で、子牛には生菌製剤のカプセルを飲ませ、へその緒を消毒した。
 空が明るくなり、もうすぐ朝だったので、母親の乳首に吸い付いたのを確認せずに、帰路についた。後は、従業員さん頼む。

 朝から、種付けがあったので、呼び出された。昨日の午後発情していた、白47まさよだ。頚管鉗子法で種付けをした後、直腸膣法に挑戦してみたが、よく解らなかった。これまでも、何度も試しているのだが、コツを聞ける人がいないので、暗中模索状態だ。

 今日から、当分の間、アルバイトのKくんが来ることになった。
 ジャンベ留学生を終え、島内の水道工事のバイトが終わったので、次の動向が決まるまでは良いのかな?
 うちとしても、いろいろ手間をかけるようになったため、二人では人手が足りず、切り草が不足していた。また、馬小屋建設や、牧柵補修などの大仕事が、男手一人では無理だ。渡りに船と思い、頼むことにした。
 まずは、切り草だ。これまで、何度も来てくれていたので、切り草は大量に作ってもらえた。
 雨の止み間を縫って、柵修理に出かけた。
 バラ線とワイヤーカッターを持って、牛が脱走する灯台下放牧地へ・・・。バラ線が、錆びてボロボロにちぎれている箇所があり、錆びた線を回収して、新しいバラ線を張った。こういうことは、人手があるときに、一気にやるべきなのだ。優先的にやるべき仕事が終わったら、錆びた線を交換する作業も、本格的にやってしまおう!
 ただ、錆びた線を回収する際、錆の塊が目に入ってしまった(T_T)/~~~

 午後から、馬小屋建設のための、下準備にかかった。
 まずは、細めの木製電柱を三本用意する。現場に運び、早速穴を掘ってみた。ユンボで踏み固めただけの地面は、崩れやすかった。柱を立てるなら、コンクリートで固めないとダメだろう。でも、前に進む勇気が出たよ。ありがとう。
 
 旗竿下にロールを置いてやっていたが、草架が無いから食い散らかされ、大量の牧草が無駄になっていた。そこで、旧式の柵支柱を立てて、簡易的な草架に出来ないか、実験である。強度を保つために、二本まとめて立てたかったが、残念ながら無理だった。
 強い風の中で作業をしていたら、先ほどのゴミが入った目が、猛烈に痛くなった。涙が止まらなくなり、空けていることが出来なくなったので、俺は診療所に行くことにした。優秀な看護師は、すぐ側にいるのだけど、視力2.0の彼女は、残念ながら手元が見えない。
 片目運転で、診療所に行った。今日は、代替の看護師さんが担当だった。事情を説明し、綿棒でゴミを取ってもらった。激しい痛みは無くなったが、目の違和感は取れず、左目の視界に靄がかかってしまった。傷がついたかな?

 ハナコの除角して出来た穴から、膿が出ていた。消毒液で洗浄したら、沢山の膿が流れ出し、鼻からも出てきた。抗生剤も注射した。これで、大丈夫かな?