海へ・・・

 今日の予報は雨だったはずだが、窓際に下げたスーパーてるてる坊主の効力か?晴れに変わっていた。昨日のうちに、一番大事な牧草は倉庫に入れたので安心なのだが、それでも嬉しい。
 今日は、カヌーに乗り、夜は黒毛和牛の焼き肉をごちそうするという約束があったので、仕事は急いでやったのだが、部屋を掃除しなければならないというプレッシャーに、気持ちはうわずっていた。それでも、大牛舎の敷料を剥がして、新しい敷きワラを敷いてやったよ。作業は大変なんだけど、子牛の喜び様は、心を癒やされる。
 汗でずぶ濡れになったシャツを脱ぎ、海パンにTシャツで港に向かった。そういえば、朝から魚肉ソーセージしか食べていない。食べる暇が無かったのと、食欲が無かった・・・この俺が?
 パドルの使い方をレクチャーして、三人乗りで出港!2.5人乗り艇だが、大人三人乗っても安定感は十分だった。だが、長さがちょっと足りないから、パドルはシンクロさせないと、互いに邪魔し合って前に進まないのだ。でも、三人の息が合うと、結構な速度が出る。
 恋人岬の先端は、意外に波があったが、3人乗りのカヌーはとても安定しており、楽々乗り切った。岩の入り江があり、タイドプールもあるところに上陸した。
魚を見せようと思ったが、シュノーケルを持ってきていなかったので、息が続かず溺れ気味。トレーニングをするというので、コーチに任せて外海に・・・
 入り江から外に出ると、無数のキビナゴが雲のように形を変えながら漂っており、時々それを狙って大きな魚がやってくる。回遊魚がやってくることを期待したが、まっ昼間から出歩くヤツはいなかった。サザナミヤッコやタテジマキンチャクダイ、ミノカサゴ、ツノダシといった熱帯魚がいて、潜ると近寄ってきた。これは、餌付けされているのかな?
 入り江に帰ると、高飛び込みをやっていた。水中カメラを借りて、魚の写真を撮ってみた。

 午後からの仕事に、ちょっと遅刻してしまった。急いでやり終え、部屋の掃除に帰った。掃除は苦手なんだが、人が入れる程度には何とかしなければ・・・。汗だくである。

 青年団の集まりのあと、二人はやってきた。
 今日のお肉は、黒毛和牛の上カルビとイチボだ。30分以上前に冷蔵庫からだし、室温に戻してある。だから、脂が今にも溶けそうになっていた。焼き肉は、冷たい肉を焼いてはいけない。
 焼き網の上に、肉を沢山並べてはいけない理由を説明したあと、それぞれ一枚焼いてもらった。友人が自信を持って出してくれた一品だ天文館の焼き肉屋さんにもよく行くのだが、この肉ほど美味しい焼き肉に当たったことは無い。二人とも、とても美味そうに食べてくれた。和牛の焼き肉の場合、一枚一枚丁寧に焼くことで、表面カリッと中ジュワッとする、美味しい焼き肉が食べられるのだ。それに。こんな美味しい肉を、がっついて食べるなんて勿体ない。一枚一枚味わっていただきたい。
 肉が美味しかったので、二人とも俺のレクチャーをよく聞いてくれた。話に夢中になりながらも、一枚一枚ちゃんと焼いて食べてくれた。そうやって食べると、少しの肉でとても満足いくのだ。