断水で哺乳ロボットが停止する

 いつものように哺乳ロボット小屋に行くと、『ミズ ガ フソク』と表示されていた。
 昨夕、牧場のタンクが渇水だったが、そのまま朝までスイッチを入れなかったのだろう。当番の人が、スイッチを入れ忘れたときのために、哺乳ロボット専用の水タンクを用意したのだが、渇水時間が長すぎて、タンクが空になってしまった。子牛たちは、腹を空かせて半狂乱だ。
 問題は、機械の調整だ。水が断水することを想定して作っていない哺乳ロボットは、いろいろな操作をしても『ミズブソクデス』という表示が消えないまま、子牛がミルクを飲みに来ても、使えない。土曜日で休んでいる機械屋さんに電話して、再起動の方法を聞くのだが、なかなか直らない。
 そこに、同じ機械屋さんの別な人から電話があり、ロールベーラーの部品を、明日の船に乗せようと港に行ったのに、荷受けの人が居ないけどどうしよう?という電話があった。明日の船に乗せられなかったら、次の船は一週間後だ。せっかく車を用意して港に運んでくれたのを、無駄にしたくない。お休みの職員に電話して、荷受けの方法を教えてもらった。
 あぁ、子牛は催促するし、機械は警告音を出すし・・・電話は鳴るし・・・。
 一時間ほど格闘した後、クリーニングコースを動かしてみた。すると、『ミズ ガ フソク』というサインが消えて、水が出始めた。
 いったい何だったんだ?直ったと判るや、子牛たちは一斉に吸いに集まった。最初の子牛は、ミルクがちゃんと溶けきれない状態だったが、後は普通に飲めていた。
 水ポンプ当番を俺に戻すように申し出たが、どうなるかよく判らない。俺は、一番水を使っているのだから、他の人より担当の期間が長くても当然だと思っている。だけど、当番になったら、全員が断水無く使えるようにしないと、当番の意味が無いとも思う。こういう事が、ちゃんと話し合えるようになれば良いのだが。
 とりあえず、ロボット専用貯水タンクのボールタップを改造して、今までより沢山の水が溜まるようにした。

 雨の合間を縫って、各放牧地の見回りをした。
 昨日は、妊娠鑑定が取れているはずのカズエ(第一花国)が、発情していた。流産したのかな?残念だが、今回の発情を飛ばしてビタミン剤を与え、次の発情で良い種を着けよう。
 黒島崎放牧地の、牧草の状態を観察に行った。
 ここは、11月になってから追播した場所で、ちょっと時期が遅すぎた。ところが、かなり広い範囲でイタリアンライグラスは成長していて、しっかり牧草としての役目を果たしていた。風当たりが強いところや、牛が通らないために踏みつけられていないところは、あまり生えていなかった。来年の為に、記憶しておこう!


 黒毛和牛販売促進のため、牛飼いはロース焼き肉用を買って、友人に振る舞うことになっている(?)
 とりあえず、試食した。火力の安定しない(弱い場合が多い)炭火ではなく、直火焼きコンロを使った。
 肉を冷凍するのを嫌う人もいるが、冷凍するときの温度と解凍方法を間違えなければ、俺程度の舌の持ち主には違いが分からない。それより、肉の味を決定的に左右するのは、焼き方だ。
 しっかり熱した焼き網に、肉を食べる分だけ乗せ、強目の火力で短時間で焼く。何度もひっくり返したりしないで、一度だけひっくり返し、焼きすぎない!
 たったこれだけなんだが、同じ値段の肉が、美味しく食べられる。一度、お試しあれ( ̄∀ ̄)ノ
 いざ、試食ぅφo(⌒囗⌒)oΨ
 今日の肉も、 A4等級くらいの良い肉だ。サッと焼くことで、ふっくらと焼き上がるのだ。何度もひっくり返すと、肉汁が抜け出し、脂が表面に浮き出て脂っぽくなる。
 甘い美味しい肉だ。まだまだ在庫してますから、食べたい人は声をかけてください(*^_^*)