妊娠鑑定

 獣医さんが来る日なので、診てもらう牛を繋いでおかなければならなかった。ところが、繋ぎに行こうと思ったら、突然激しく雨が降り出した。これだけ降ると、妊娠鑑定どころか、繋ぎに行くことさえはばかられる。

 幸い、雨は降ったり止んだりしたので、止み間に牛は繋いだ。
 とりあえず、出荷牛のワクチン接種だ。今月は、2頭だけ。最近、うちの牛はあまり逃げなくなったので、仕事が楽だ。島に来た当初は、俺が部屋にはいるとパニックになっていたが、今居る子は、俺が来てから生まれたので、見慣れたらしい。
 ワクチン接種が終わっても、雨が激しすぎて、屋根の外に出られない。ロボット小屋などを見てもらった。
 ちょっと晴れ間が差してきたので、放牧地に妊娠鑑定に行った。10歳以上の高齢牛に、繁殖障害が目立った。更新すべきなんだろう。

 仕事が終わってから、チビキの刺身を持って、獣医さん達の宿を訪ねた。酒を飲みながら、あぁだのこぉだの牛について語り合ったのであった。
 基本的に酒に弱い俺は、そこで力尽きていたのだが、別な牛飼いさんの家を訪ねることになり、着いていった。綺麗な家で、メジナの刺身が沢山あったが、俺は既に死んでいた(T_T)/~~~