モモカとモトツボ

 瀬棚から連れてきたモモカとモトツボは、硫黄島でもハバを効かせている。
 モモカは、とても人気のある牛で、瀬棚では彼女が動けば群が動いた。ちょっとムラッケがあり、タイマンでは実力ナンバーワンなのに、弱いスズコに脅されたりするコトもある。
 モトツボは、瀬棚では見かけ上ボス牛だった。モモカ以外に対しては、圧倒的な力で支配していたのだが、あまり好かれてはいなかった。牛には厳しいのだが、人に対しては従順だ。
 現在、スタンチョンで牛を呼ぶと、この二頭は好きなところに勢いよく頭を突っ込む。BSEが発生した年に、無理して買ったこの二頭は、毎日ブラッシングして大事大事に育てた。だから、俺のことをとても信頼していて、首鎖のモモカは、鎖に犬のリードロープを付けると、まるで良く調教された馬のように、引っ張らなくても俺の脇を歩く。
 今日は、牛舎の三組の親子を、小屋下放牧地に出し、臨月の四頭を空いた部屋に入れた。
 
 フォード6610の燃料フィルターを交換したので、試運転のために飛行場の雑草刈りに行った。
 硫黄島では、まだススキが青々していて、道にはシマヘビが這っている。ツワブキやスミレ、ツバキの花が咲いている。
 ブッシュカッターで、伸びきった雑草を粉砕していく。しばらく刈っていなかったようで、小木が生えていたが、これも粉砕!