帰島

 やっと帰れる。農場をこんなに長い間開けたのも、ゴロウとカイトとこんなに長い間離れたのも、初めてのことだ。そもそも、俺には町は似合わない。
船に乗り込むとき、いつもは弁当を買うのだが、ちょっと用事があるというのでさっさと乗り込んだため、買い忘れてしまった。
 案内された先には、女性が二人待っておられた。差し出された名刺には、家畜保健衛生所と書かれていた。いろいろ動物を飼っているので、適正に飼われているのかアンケートがあるらしい。
 俺の素っ頓狂な回答にも、臆すことなく対応してくださった方の女性に対し、俺はただ者ではないと感じていた。いろいろ話も弾み(タダ合わせてくれただけかも知れない)、魚を見るために素潜りをし、北海道や小笠原にも仕事の関係で住んだことがあるということも知った。
 とまぁ、俺が一方的に話すのではなく、会話が楽しかった。おかげで、退屈しないで済んだ。ありがとうございます。

 1週間ぶりの硫黄島は、暑かった。届いていた荷物を受け取り、犬達が待つ住宅へ・・・。大歓迎してくれた。
ゴロウは、ちょっと太ったかな?
 牛舎に行ったら、子牛が生まれていた。留守番してくれた方、どうもありがとう!

 島では、祭の準備が進んでいた。踊りの練習も、3日目だそうだ。前後左右の人を見ながら、一生懸命真似たのだが、結構難しいのだ。