糞出し

 そういえば、昨日、堤防のすぐ沖で、8kgのクエが釣れていた。
 水中で出会うクエは、ダイバーに対して正面から対峙し、口を開いて威嚇する。これは、かなり興奮する瞬間だ。カンパチは、とても好奇心が強く、人を見ると近寄ってきて何者か確認したがる。数匹の群の場合、一匹仕留めると、他のカンパチが体当たり寸前まで近づいて、何があったのか確かめようとする。
 残念ながら、この島ではまだ会ったことがない。
 肥育牛が出るのを待っていたのだが、いつになるか判らないので、とりあえず大牛舎の糞出しをした。分厚く溜まった牛糞と敷きワラを、ファーガソン4255のバケットで掬い取り、そのまま奥の堆肥場に排出する。牛は、柵の取り回しにより、半分の面積となった部屋で待機している。
 梅雨の時期、床がドロドロになると聞いていたが、これだけ雨が続いても、敷きワラを沢山入れてあるので、それほど環境は悪化していない。ただ、狭い堆肥場はすぐにいっぱいになるので、新しく採草地に開墾しようと思っている湾放牧地の一角に、散布してしまおうと思っている。その時間があるかどうかは、やってみないと判らない。

 昨日無理矢理開けた部屋に、出産予定日を過ぎた牛を入れることにした。
 連動スタンチョンに入ってくれるので、捕まえるのも安全で楽である。普段、頭を触っているので、ここの牛達も大分慣れてきた。トレーラーを持ってこなかったので、そのまま歩いて滑走路を横切り、牛舎まで連れ帰った。

 すっかり遅くなってしまい、飯を食う暇がなかったので、バナナを6本買って食べていたら、3本食べた段階で『食べ過ぎ!』というご婦人方の指摘があり、食べるのを中断してそのまま仕事に行った。だが、やはり猛烈に腹が減った。
 DoCoMoから、牛舎周辺の受信状況を調べに来てくれた。切り草小屋が、もっとも電波が弱く、離乳小屋付近なら受信状態が良いことが判った。とりあえず、『室内アンテナ』というのをくれた。

 部屋が空いていないが、今日のところは2頭だけ離乳した。狭い部屋に押し込むと、環境が悪化して成長が遅くなるのだが・・・。もう待てないのだ。