道草 尿石


 昨夜はよく眠れなかった。ボンヤリして横になっていたのだが、薬を飲み忘れていた。
 今日は、束の間の晴れ間らしい。馬達は、道草を食いに出てきた。ついでに、乾草庫の牧草もつまんでいた。
 尿石の百三郎に、スキトールという薬を注射器で飲ませたのだが、ミルクを思い出したみたいで、もっとくれってせがんできて可愛かった。

 モトツボマチコが脱走していた。まだ3ヶ月令にならないのに、4kg/日以上食べる彼女は、動きも素早く力も強く、逃げ道の予測も裏切られて、大変だった。
 夜牛舎を終えて帰るとき、荒波のような音が、町の方角から聞こえてきた。風が吹いているわけでもないのに・・・。なんの音だろう?
 綺麗な星空だった。気温がグッと下がって、一桁だ。ゴロウは俺のタオルを嬉しそうに咥えており、可愛いので取り上げられなかった。