部屋作り 勉強会


未明に、雨の降る音を聞いたような気がした。起きてみたら、道路は乾いていた。夢でも見たのだろう。ちょっとくたびれ気味で、動きが緩慢である。激しい労働の前に、準備体操の必要を感じてしまう今日この頃だ。
 今日は、昨日搬出し終えた発酵床部屋を、普通の子牛部屋に改造する造作をした。壁を取り払い、柵を着け、エサ箱などを設置するだけだ。石灰消毒もした。
 この部屋の住民、ヤスコとフジコを連れ戻す。ヤスコ(平茂勝→安平→安茂勝)は、とても大きいのだが、臍ヘルニアだ。借り物のヘルニア矯正コルセットは、固定ベルトが切れている。伸縮性包帯を、コルセットからずれないような小細工をしてはめてみた。

 和牛改良組合の、勉強会に行った。最近の流行は、配合飼料を減らし、牧草を食い込めるような子牛作りだ。マニュアルも見たことがあるが、これまで聞いてきた量の半分くらいしか配合飼料をやらない先進地もある。
 俺も、徐々に配合飼料を減らし、牧草を食い込ませるようにしている最中だった。肥育屋さんは、牧草を食い込める胃袋を求めていると聞く。
 ところが、道南市場ではまだ太った子牛が好まれるため、ある程度の配合飼料多給はやむを得ないらしい。牧草で確実に太らせる技術的自信がないと、なかなか配合飼料を減らしにくい。失敗すると値崩れしてしまうので、冒険でもある。
 今日の資料では、俺が見たものより配合飼料の量が多かった。マニュアルが沢山あって、どれを信用して良いのか判らない。肥育屋さんが求める牛と、市場で高く取引される牛が、違っているというのも変な話しである。
 でも飼料も高騰しているし、最終的には肥育屋さんが喜ぶ牛を作ることが、きっと良い結果を呼ぶのではないだろうか?