白老市場価格暴落 肥育屋さんの話

 いつもより早起きして、朝飯前に朝牛舎作業を終える。白老市場に行くためだ。しかし、親が焦っても、娘はマイペースだ。いつもよりゆっくり起き、ノンビリノンビリ朝飯を食べる。ジッと我慢の朝だった。
 娘を保育所に送った足で、市場に向かう。ゴロウとカイトは留守番なのだが、ローズと遊んでいて電気牧柵に引っかかってしまったカイトは、ショックから立ち直れなくて見送りにも来なかった。たぶん、乾草庫の奥深くに隠れて震えていたのだろう。
 
 自分の牛がセリにかかる直前に到着。幸三郎や秋三郎など、体重はかなりあったと聞き安心したのも束の間、セリ落とされている値段が異常に安い!血統・増体・体型などで値段が決まるのだが、先月なら50万円台の後半をいくような子牛が、40万円台で落札されているのだ。
 で、俺の牛の番!・・・目標には遙か及ばず、玉砕!!!子牛4頭も持ってきたのに・・・2頭は主取り(セリが成立しなかった)になり、場外販売。1頭は持ち帰って自家保留かな?来月、価格が上がる保証もない。
 特に『安茂勝』の値が下がったのは鳥取共進会で枝肉成績が出て、あまり振るわなかったのが影響しているらしい。
 
 今回市場に来たかった理由は、岐阜の肥育農家さんに会うためだ。たまたま知り合った肥育屋さんの友人が、うちの子牛(元次郎)を買って肥育し、7月の岐阜の共進会で3位に入賞したそうだ。
 格付 A-5-11-3 565.2 。ナンノコッチャと思うだろうが、要するにものすごく脂肪交雑が良く、枝肉重量が565kgもあったということだ。しかも、セリではキロ単価が1位2位を抜いてトップだったという。キロ5千円!
「や〜っ、儲けさせてもらいました。その母牛の受精卵を採って、どんどん生産してください。」
もうちょっと早くその話を聞いていれば・・・。来年は、モトツボの受精卵を採るぞ!
 肥育屋さんの視点で、血統の話を聞かせていただくことが出来、大変勉強になった。そして何より、自分の育てた子牛が、美味しい飛騨牛として喜ばれた話を聞け、とても嬉しかった。
 市場が暴落しても、高く売れるような良い牛を作るぞ!