ミノリ出産! 親子トレッキング

 ミノリの出産が遅れているので、獣医さんに電話して診てもらうことにした。ところが、電話して牛舎に行くと、陣痛が始まってしまった。慌てて獣医さんに、取り消しの電話を入れる。
 陣痛は強いが、なかなか進む様子がない。いろいろ予定もあり気が焦っていたので、手を消毒して内診してみる。前足と頭が確認できたが、それほど大きいという感じはしなかった。産道が狭く、頭がなかなか出てこれないようだった。
 昼頃にようやく出てきた足を、滑車を使って引っぱる。8倍滑車ロープを引っぱれないほど難産だった。ようやく出てきた子牛は、ミノリの腹の膨らみや父牛『北国茂』からは想像つかないほど大きな雄子牛だった。
 『美野里太郎』と命名。ミノリはしばらく動けなかったので、牧草で子牛の体を擦ってやる。
 ゴロウやカイトを敬遠してか?子牛に近づけなかったミノリだが、産室に子牛と一緒に連れて行くと、盛んに舐めだして母性本能もOK!子牛は、30分で立ち上がり、哺乳瓶から人工初乳を飲んだ。1時間半で母乳もしっかり飲んでいた。良い子牛だ!
 
 午後から牧草を集めに行く予定だったが、ちょっと疲れたのもあり、娘が居るのもあり、月曜日に乗馬客があるのもあり、ポパイの運動の為にトレッキングに行くことにした。
 ウェーブしたロンゲのハンサムなポパイだが、ヨウシュウヤマゴボウの実を沢山絡め着けて、ひどい顔だった。ブラッシングして、たてがみと尻尾を綺麗にしてやる。
 俺は娘を背負ってポパイに、妻は一人でオリーブに乗って出発。お供に、ゴロウとカイトが来るのはあたりまえなのだが、今回は空荷のマロンも着いてきた。タップリ2時間のコースを、ゆっくり並足でトレッキングし、景色と馬の背の揺れを楽しんだ。
 12歳になるポパイは、俺と娘で85kgを越える重荷を乗せ、うっすらと汗をかいていた。もっと頻繁に乗っていれば、走っても全然大丈夫な体力がついているのだが、仕方がない。娘が大喜びしたので、これからはちょっと乗ってみよう。