燃料が無い! テッター 刈り取り

写真は夏のものだが、娘はいつのこんな顔をして急傾斜の我が家を走り回っている。
 朝から、クボタに燃料を入れようと思ったのだが、免税軽油のタンクは空っぽだった。週間予報では晴天が続くので、既に10町歩以上刈り倒したまま放置してある2番草を収穫するため、テッターをかけようと思ったのだ。今時2番草?と眉をひそめる人もいるだろうが、今の俺は仕事を万全にやれるほど体調は良くない。
 
 子牛にミルクをやり、エサやりを妻に任せて、娘を背負ってテッターに行く。燃料計は、心細い値を示していたが、やれるところまでやるしかない!娘に帽子をかぶせたのだが、アッという間に脱ぎ捨てられ、屋根のないクボタで3時間ほどドライブだ。娘は、厚着をして背中で大人しくしていたが、寝ないで
「モ〜モ〜!」
とか、
「チョウチョウ!」
と言っていた。発音がちょっと違うぞと思いつつ・・・。トラクターのエンジン音は、
「ゴ〜〜〜ッ!」
けっこう楽しい!
 
 飯(素うどん)を食べ、ちょっとだけ休憩して、今度はフォードで刈り取りに出かける。まだ刈り倒していない草地が7町歩ほどあるのだ。キャビン付のフォードは寝心地が良いのか?娘はすぐに反っくり返って寝てしまい、おんぶ紐が肩に食い込み、何度も揺すってイスの背もたれに座らせ直した。
 後半目覚めた後は、鏡に映った俺に向かって盛んに『投げキッス』をしてくれた。1歳6ヶ月という若すぎる女性からの投げキッスをされたことのある男は、あまりいないだろう!
 フォードにはどれだけの燃料が入っているのかわからないのだが(メーターが作動していない)、とりあえず2時間は持ってくれた。夜牛舎の時間なので帰宅したら、娘の顔が真っ赤になっていた。日焼けである。
 真っ黒な鼻くそを綿棒で取り除き、ほっぺたに馬油を塗ってやる。湿疹やかぶれによく効くのだ。心優しい娘は、嬉しいことをして貰うと、必ず恩返しをする。馬油を塗ってやると、すぐに自分も瓶に指を突っ込み、俺のほっぺや鼻に塗り替えしてくれた。
 
 1日中、娘と密着した休日だった(俺は休んでいないが・・・)。