子牛がいっぱい! 3頭目の雌子牛産まれる

 牛舎に、子牛が入り切らなくなりつつある。急いで部屋を増築しなければならないし、敷きワラとなる2番草も用意しなければならない。牛舎にいると、めいっぱい子牛のために仕事するが、仕事は牛舎の中だけではない。
 こういう焦りが、自分を追いつめていくのだが、努めて平静を保ってみせる。どうあがいても、俺に出来る仕事量は限られている。とりあえず、産まれてくる子牛の命を守ることに、全力を傾ける。
 
 大きいけどほとんど乳の出ないユキの乳房が張っていた。初産で乳の出が悪いアカリを産室から追い出し、敷きワラを交換してユキを入れてみた。
 光太郎や、元七郎、和四郎等は、哺乳瓶で代用乳を与えた後、親の乳にも吸い付かせる。大変手間であるが、乳房炎の予防と、次のお産で良質な初乳を出させるための布石である。
 
 家に帰り、手抜きの晩飯を食べてモニターを見たら、既にユキは出産後だった。
「小さい!」
急いで作業服を着て出かける。
 小さな雌子牛だった。冷えてきたので、タオルで包んでドライヤーで体を乾かす。人工初乳を2袋飲ませた。