和四郎の柵越し哺乳 刈り取り 原稿第一稿

娘は、本が好きである。1歳になる前から、かくれんぼ系の本が大好きで、それを持って俺の膝に座り、気が済むまで何度も読まされる。忙しい時に、はっきり言って仕事が中断され迷惑なのだが、なんとも心温まる時間でもある。馬や犬の本も大好きで、わざわざ重たい本を本棚から出してきて、熱心に見ている。
 
 和四郎をそろそろ、超早期母子分離するかどうか考える時期である(普通は何も考えず、母子分離する)。
 悩むのは、カズエの乳量があきらかに多いという点である。数日で和四郎は重くなった感じがする。しかし、産室にいつまでも入れておくと、糞出しが大変だし、お産をひかえた牛が目白押しで十数頭もひかえている。
 メロンとその子牛でうまくいった柵越し哺乳に挑戦してみようと思った。
 問題は、我が牧場最大の巨牛メロンと、こじけ牛で安く買ってきたカズエとでは、体格差がありすぎることだ。柵越し哺乳の子牛部屋に和四郎を入れて、隣にカズエをつないでみたら、ちょうど柱の立っているところに乳首が隠れてしまい、話にならない。乳首の近くに新たな穴を開けて、柵ぎりぎりにカズエの体を押しつけてやれば、吸えなくもないが、そんな不自然な体位をカズエがいつもとるわけではない。
 
 天気図によるとここしばらくは、不安定な天気が続きそうなのだが、ネット各社の週間天気予報を見るとこの先一週間雨が降らない予報である。この時期を逃すと、寒くなりすぎて牧草が乾かなくなるので、雨に当たるのを覚悟の上で、牧草の刈り取りに行った。
 保育所から帰宅した娘が、なぜかずっとつるしっぱなしだったてるてる坊主をとってくれとせがむので、とってやった。しばらく楽しそうに遊んでいたが、効き目が弱くなったスーパーてるてる坊主に、新たな念を入れてくれたのだろうか?
 
 娘を寝かしつけた後、依頼されていた原稿に着手した。書き上げてみたら、原稿用紙6枚強の文字数になった。これを元に校正していくのだが、写真とともに第一稿として依頼者に送付した。