雨音を楽しむ 猛烈糞出し 飛沫!

 昨夜から降る予定だった雨は、ちょっと後ろにずれ込んだようだった。しばし、音楽をかけずに、雨音を聞いて心静かに過ごす。乾ききった畑や草地に、雨がしみこむのが嬉しかった。
 
 娘を保育所に送った後、俺は堆積した牛糞を剥がす作業を任命された。機械化されていない我が家では、ひたすら体力勝負だ。先日の町内研修で、我が家の牛舎が汚いことを再確認し、綺麗にしようと少しずつ頑張っているのだ。剥がし終えた所には、散布用EMを撒き、新しい敷きわらを敷く。Tシャツを絞れば、汗がしたたり落ちるほどだった。
 
 疲れたら休むというのは、年中無休の牛飼いにとって大切なことだ。疲れ切って動けなくなってしまっては、明日から牛の世話が出来なくなってしまう。パンを食べて、娘と三人で昼寝をしようと思ったのだが、娘は寝る気など無くなってしまっており、俺の体にまたがったり、妻を揺さぶったり・・・。
 俺はそんな状況でも、疲れていると眠りの世界に入ってしまえるのだが、
「自分だけ寝るつもり!」
と神の声がかかり、仕方なく娘にパンとミルクを与え、背中に背負って堆肥撒きの続きと、畑にロータリーをかける作業をしに行く。プラウを使わず、そのままロータリーを使う。大量の堆肥のため、登ることが出来ないので、遠回りして上から下へロータリーをかける。これだけ散布しても、混ぜ込んでしまえば大した変化がない。
 
 マニアスプレッダーを、洗車した。もちろん娘を背負ってである。高圧洗浄機のしぶきと運古の飛沫が、俺の体にも飛んできた。そこを、3時間ほど昼寝して元気になった妻に見つかり、大目玉(ウソ)。顔や服についた飛沫をぬぐい取られ、ちょっと服を羽織って機械小屋に返却に行った。北海道では1日の気温差が激しく、帰りにはかなり涼しい風が吹いており、娘の足を手で暖めながら走った。