せたな町の公的医療体制等に係わる基本方針 住民説明会

 頭痛がし、食欲もなく、体もだるかったのだが、表題の会に出るために早起きして、ゆっくり朝牛舎作業を済ませた。経営を安定させるためには、子牛を大事にしなければならない。エサを買いに農協に行った後は、ひたすら体力回復を願って休んだ。
 
 5時頃から夜牛舎を始めたが、子牛たちは俺の姿を見て、残り物のエサをさっさと食べてくれた。俺の不規則な生活に合わせてくれる、優しい子牛たちに感謝!糖蜜希釈液が欲しくて鳴いている牛がいたが、今日は勘弁。
 
 ぎりぎりの時間に、ようやく会場に駆け込むことが出来た。
 
 医療の充実を公約に掲げて当選した町長だが、説明は明らかな医療体制の縮小を謳っていた。
 大成・瀬棚の無床診療所化。一人体制の確認。瀬棚診療所の土曜診療の廃止。・・・。
 北桧山国保で小児科も診ることになっていた。医師募集の公告には、小児科の看板は上がっているが、医師不足のため止めて久しいと書かれていたのに、誰が診るのだろう?
 予算不足で、看護師や保健師をはじめとするスタッフの確保も難しいという内容だった。
 
 継続可能な医療体制の実現と言っていたが、診療報酬改定、患者減(北桧山国保の患者2割減は、薬を長期間出せるようになったためと説明していた)などで、1億8千万円から2億円の一般会計からの赤字補填はやむを得ないということを説明していた。本当にこんな財源があるのだろうか?
 掲示板に投稿してくださった医師の話では、医師一人体制は体力的にも精神的にもとても過酷で、定年や辞職された場合、後任の医師確保は不可能で、継続可能な医療体制とは言えない。
 
 質問や意見も多数出たが、『審議会の答申に従って・・・』と言ったような他人任せの答弁ばかりで、具体性のある答えは無かったのに対し、
「町長としての回答をしてください。」
と言う住民側の意見が出た。
 
 医療機関(医師)と住民の距離が大きく、どの医師がどんな分野が得意であると紹介するページを広報などに載せて、町民の北桧山国保に持っている不信感を払拭し、町内受診を増やす努力が必要だと意見を言ったが、あまり相手にされなかった。分野別に見ると、良い先生もいるのだが・・・。
 
 土曜日の午後、肩の脱臼をした子どもの母親が、あっちこっちの病院に電話したが断られ、最後に24時間救急の北桧山国保に電話したら、警備室に繋がり
「今日は内科の先生だから、無理だと思うよ。」
と言われて、電話を切られた話しが出た。旧瀬棚診療所にいた(吉岡先生を含む)3人の医師なら、全員1分で治せる症状だ。町の中心医療機関を名乗るなら、同じ町に治療法を知っている医師がいるのだから、きちんと指導を受けて対応できるようにしておくべきではないか?(掲示板に投稿してくださった医師の話では、きちんと指導できる医師に着けば、すぐに覚えられる症状だという)
 
 医療費適正化政策について聞いたところ、旧瀬棚町がモデルであり、町長も部下に申請書を出させたと言っていた。予防医療や地域包括ケア等の費用の半分が道から助成される制度だ。ところが今日の説明では、医療費の高い今金町と江差町だけが対象であり、せたな町は申請を出す資格さえ無かったそうだ。ではなんで申請書を出させたのだろう?
 
 話を聞いていると、財政難で瀬棚診療所が今より良くなる可能性もなく、だからといって北桧山国保が信頼できる医療機関に変身する可能性も感じられなかった。
「そういうことなら、瀬棚診療所を公設民営として、町財政から切り離して考えた方が良いのではないですか?北桧山国保だけで、毎年2億円の赤字を計上する事を考えたら、瀬棚を切り離せば楽になるのではないですか?」
と提案したが、反応は今一つだった。
 
区長ってなんなんですか?どうして一般職から選べなかったのですか?」
という質問も出た。
 財政難で、保健師や看護師も雇うお金が無いと言いながら、年俸1千万円の区長を2名も雇っておく必要があるのだろうかというのだが、よく判らない法律や機関の名前を出し、
・区を置くからには、区長は必要。
・一般職から選ぶわけにはいかない。
・減俸することも出来ない。
という回答だった。町長には、責任も権限もないと言うことだ。本当なのだろうか?
 
 誰も納得していないのだが、これで説明会が終わってしまったので、瀬棚区民の賛同を得たということになり、4月1日からこの悲惨な医療体制が行われることになるのだろうか?
 大成の説明会では、住民の方に納得していただいたと言っていたが、こんな内容で納得するはずがない。時間切れで、質問をのらりくらりとかわされただけだろう。
 こんな出来ない理由だけを述べる町政に、絶望しか感じなかったのは俺だけだろうか? 
 
 説明会の間に、何度か菅原議員と目があったが、この説明会で町民が納得していないのはよく判ったはずだ。次の議会で、どんな質疑をされるか、注目したい。