医療費の削減! EMボカシ 糞出し! 水下痢!

 遅まきながら、今年のNEW YEAR RESOLUTION として、「医療費の削減!」というものを掲げることにした。牛のだ。好調な和牛市場の恩恵で、我が家の子牛たちも高く買ってもらっているが、手元には全然お金が残らなかった。昨年から、資金返済が始まっているし、牛舎を建設したり、いろいろあったが、子牛の治療費がかさんでいるのも事実だ。暖かい季節は良いのだが、寒くなるとたちまち風邪をひき、下痢をする。このままでは経営が傾いてしまうので、なんとか子牛の病気を減らさなければならない!
 子牛は、けっこう寒さには強いらしいが、すきま風にはめっぽう弱いらしい。うちの牛舎は、窓は壊れているし、扉はボロボロだし、親牛が入っていないので、とても寒い。糞出しの時、糞は凍っている。子牛に汲んでやったお湯は、1時間で凍る。
 「医療費削減!」の目標を達成するために、これから牛舎の隙間を塞ぎ、敷きワラを厚く敷いて、こまめに交換する。などの、当たり前のことを、真面目にやろうと思う。EMボカシ(有用細菌を米糠に附着増殖させた物)を大量に作っていたときは、牛舎内はいつもいい匂いだったし、病気も少なかった。最近、EMボカシを復活させ、花咲爺のように撒いて回っているので、牛舎内はなんともいえないいい匂いがしている。ちゃんと敷きワラを交換しながら、牛舎内の常駐菌をいいものに変えていけば、ガンベなどの皮膚病や下痢も減るだろう。頑張るぞ!
 ところで、「医療費削減」と言えば、旧瀬棚町は俺らが引っ越してきた頃まで、町民一人あたりの健康保険料の負担額が、日本で1位2位を争う高額医療の町だったそうだ。そこへ、一人の医師がやって来た。町の診療所で、効果が同程度なら値段の安い薬を使ったり、生活習慣の改善など予防医療に力を入れ、在宅看護を可能にする医療体制の整備などの、先進的地域医療をした結果、医療の質を向上させつつも、医療費を2割も削減することに成功したという。しかも、自分の報酬を減額して、浮いたお金で看護婦の数を増やしたりしているのだ。ところが、この医師が努力してきたことの内容が、町民に正確には伝わっておらず、なかなか居づらい状況になっているらしい。いつまでも居て欲しいのに・・・。もし居なくなったら、彼がこれまで築いてきた医療体制が、根底かから崩れ去り、我々町民は、再び健康保険の負担額が日本一高い高額医療の町に逆戻りしてしまうのだが、そんなことになっても、役人は誰も責任を取らないだろうな〜?
 と言うことで、長いこと敷きっぱなしだった、果穂太郎とキララの部屋の、敷きワラ剥ぎをやった。2頭には広すぎる部屋なので、寝るところだけにワラを足してやるだけだったのだが、他の子牛が入る場所がなくなってきたので、ここをキレイにして2分割する予定だ。分厚く固まった敷きワラと糞を、腰を痛くしながら、剥がして剥がして剥がした。一輪車に、てんこ盛りで、何杯も運んだ。しかし、まだ寝床の部分は、手つかずだ。ここが終われば、全ての子牛の部屋が、綺麗な状態に戻るので、後はこまめに敷きワラ交換をすれば良いだけだ。(簡単に言うが)
 スズコは、マイシリンが効いて元気になったが、福次郎には全然効いておらず、水下痢だった。3人娘のアカリが、またまた水下痢をしていた。毎日敷きワラを交換し、たっぷり敷いてやってるし、毛布のチョッキを着てるし、投光器も着いているのに、なんでこんなに繰り返すのか?理由がわからない。早くも、挫折の予感?