牧場犬カイト

 ルーティンワークを一人でやってもらい、俺は電柱牛舎の敷きわら交換をした。横殴りの雨が続いていたので、床も子牛も濡れて、風邪を引かせてしまいそうだった。急いで全部剥がし、新しい敷きわらを敷いた。
 
 飛行場のフェンスが破れて、そこからうちの牛が出入りしているらしい。捕まえて欲しいと要請があり、カイトと一緒に出かけた。
 妊娠牛のかつみとみつよだった。追うと、藪の奥深くに逃げ込んでしまう。ここで、カイト選手の登場!
「カイト、行け!」
と言うと、吠えながら牛に突進する。『行け!』と繰り返すと、さらに追う! 牛は、たまらず藪の外に出る。追う方向を定めて、カイトに声をかけながら追わせたら、あっという間に任務完了! 俺一人では、何時間かかったことか・・・。
 
 ナオちゃんの要請で、乗馬になった。
 今日こそは、恋人岬まで行きたい! と鼻息が荒い。前回、途中まで行ってるから、今日は大丈夫。あらかじめ、俺がソックスに乗り、早足や駆け足をして、ソックスの走行欲を満たしておいた。
 出発してみると、ソックスはあまり歩きたくない様子で、ポパイからかなり遅れて着いてくる。今日は、天気も良くてとても良いホーストレッキング日和だった。