秋の脱走行事

 秋になると、牛の脱走が増える。放牧地に、食べられる牧草が減ってきて、外に生えている草を食べているうちに、柵を壊して出てしまうのだ。
 緑13あきひめは脱走常習犯で、他の牛は出て来ないのに、毎日どこから出てくるのか判らないけど、毎日出ている。そのうち、他の牛達も覚えて、一緒に脱走するようになるから、早めの対策が必要になる。
 脱走した牛は、牛舎を荒らして、牧草や餌を食い荒らし、糞尿まみれにする。
 
 脱走箇所を特定できたら、そこを強化することが出来るのだけど、よく解らないのだ。
 しかたないから、飛行場を超えたところにある、黒島崎放牧地まで引っ張って行った。
 
 ここには、スタンチョンに入らないから、種付けも妊娠鑑定も出来ない赤7たらちねがいる。明日の妊娠鑑定のために、捕まえておかなければならなかった。
 策略を練って、なんとか狭い所に追い込み、捕獲した。牛舎に連れ帰る。この牛も、脱走が得意なので、どこに移動させるか、迷ってしまう。