水道修理 静かな押し入り強盗 タエ発情

 穏やかな朝だった。牛舎に行くと、福六郎が大声で鳴いていた。声に誘われて、母牛のフクが外で鳴き返していた。福六郎は、ミルクを飲んだ後も鳴いていた。スキンシップを欲しがっているのだろうか?母子分離した日、ミルクを飲ませた後に放してやったが、乳を数でもなく鳴き歩いていた。口の中に、配合飼料を入れて味を覚えさせる。
 天気は良いのに、俺の体調はイマイチだった。冷たい物を食べすぎたときのような、腹の中が冷たい感じがする。とりあえず、ゆっくり仕事を片付ける。

 風呂場とトイレの水道が、漏水して困っていたのだが、今日は工具を忘れずに牛舎から持ってきたので、修理した。子供の頃、バイクの修理をしていたら、
「Yoneは、直す振りをして壊すからな〜。」
とよく言われた。ネジを捻りきってしまったりしていたのだ。最近は、力の加減を出来るようになったので、あまり壊さない。
 今日も、シールテープを使ってちゃんと直せた。

 買い物に行った後、牛舎に行ってみると、フクとアキコが押し入っていた。子牛のエサ箱を綺麗に舐め取り、牧草を盗み食いしていた。福六郎の声に誘われて、電気牧柵の低いところをまたいで来たようだ。あまり荒らされていないが、やっぱり頭にくるんだ。

 タエが、発情していた。この牛は、種付けした後、発情の外部兆候がとても弱くなってしまい(卵巣の働きが留まってしまうこともしばしば)、ガッカリすることが多い。