シャッター 

 未明に、地震があった。珍しく、余震で目が覚め、本震ではかなり揺れた。この家は基礎が弱いから・・・。いつかは補強工事をしないと、簡単につぶれそうだ。寝なおした。
 屋根からユキが落ちる音で目覚める。ダハ〜!大雪だ!昨日除雪した形跡は、跡形もなくなっており、長靴の丈が足りないくらい積もっている。牛舎に行ったら、ココアとジョンがいるアバラD型倉庫は真っ白になっていた。ナナミ達の部屋や第2産室は床が白く凍っていた。吹き込む雪をなんとかしないと、風邪をひかせて殺してしまう!熱を計ったら、綾次郎とホタルは熱があった。マイシリンを注射した。
驚いたことに、フクはミノリが乳首に吸い付いても、蹴ったりせずにジッとしていた。まだお産予定日まで間があるのに、優しい牛だ。
 壊れたシャッターを無理矢理引き下ろし、厚くて長い板にビス留めしておもりにした。これでけっこう吹き込みが防げる。さらに、バラD型格納庫に繋げて作られた牛舎の入り口に、3.6m真四角のブルーシートを釘で固定して、風が吹き抜けるのを防いだ。これで、大分暖かくなったと思う。これまでが酷すぎたから・・・。
 モミジが、すっかり元気をなくしてしまった。もともととても元気な子牛だったので、子牛部屋から出してやると、トコトコ着いてくるのだが、ミルクをちゃんと飲み込めない。あわてて、子牛用の温室に入れてやる。投光器の光の前に立って気持ちよさそうだった。
 機械利用組合に、今年の利用報告に行った。作業も予定していたらしいが、大荒れの天気のため見送りになった。おかげで早く帰れたので、屋根板張りの続きをやった(危ないな〜)。現場は新たに積もった雪に覆われ、板が何処にあるのか判らなくなってしまった。氷点下の風が吹く屋根の上での作業は、とても緊張し、寒かった。下半身の血行が悪くなり、長靴の中の足が凍傷になった。それでも、屋根の北側は、屋根板を打ち終わった。
 チビから8頭全部の体温を計ったら、和次郎の熱が下がっていなかった。モミジは、元気になっていた。やはり寒すぎたのだ!